夏の感触
- アーティスト: Pet Shop Boys
- タイトル: Pop Art - The Hits
昨日の雨から一転、今日はいい天気でしたね。ちょうどお昼くらいに、仕事で神戸から東に向かいました。
生田川ランプから高速に乗りました。高速に入ってすぐは混んでいた道路が、しばらくするとパーっと前が開けてスムーズな流れに。右手は海側、左手は山。上を見上げると、高気圧に覆われた白っぽい空に海が近いからか、かもめが飛んでいます。前の車のリアガラスに反射した太陽がまぶしい。
はー、夏だなあ。。。なんて仕事中でありながら気分が高揚する私。いつも夏が始まる前、梅雨入りにはまだ早いこの短い時期が一年で一番好き。夏が始まる前って、わくわくしませんか。今年は何が起こるんだろうって。
そんな時ラジオからかかった曲「GO WEST」by Pet Shop Boys。言わずと知れたあの曲です。(上をクリックして一曲目で 視聴できます)
ぴったり!あまりにその時のシチュエーションにはまりすぎて、車に一人なのをいいことに大声で歌う私。外から見たら相当怪しいやつです。これを聞くと、このままUターンして海に行きたくなってしまう…夏がきたーってテンションがあがってしまう。。。
私個人的には、神戸はこの季節が一番いいと思います。リゾート気分が存分に味わえて。このあがったテンションを維持したまま、すぐに海にいけてしまうロケーションの良さを学生時代何度感謝したか分かりません。
そんな初夏の神戸を舞台にしたお話を、平中悠一さんがたくさん書いています。私が彼に出会ったのは高校生の頃。当時読んでいた「オリーブ」に連載していたのがきっかけ。彼自身も大学生?かもうすこし上のとても若い作家さんでした。
バブル真っ只中の、神戸近郊の私学に通う学生の実態を忠実に再現した彼の小説。一見内容は軽くて調子よさそうに見えるけど、10代から20代前半の、だれでも経験したあの頃のせつない恋がリアルに書かれていて結構好きでした。文体はとても甘くて、かゆ…ってなるところもあるけど。
She’s rain というお話は、映画化もされたんです。ただ、かなりマイナーなのでDVDとかにはなってない…しかもめったにビデオ屋さんにも置いてないシロモノ。ただ、震災前の神戸を覚えている人にとってはたまらないシーンの連続です。居留地にあった、いまはなき「ラルフローレン」のシーンには思わず心がきゅんとなっちゃう…。古いビルを利用した趣のあるお店で、入ってすぐにいけられていた白いユリが、鮮明に記憶に残っています。
彼の小説で写真に切り取られたように表現されている初夏の神戸は、今でもそんな自分の学生時代を無意識に思い出させてくれているのかもしれません。特別な思い入れがあるのは、だからなのかな…。