最近買った紙の書籍

「愛と死をみつめて」に嵌ってしまってから、

関連書籍をあれこれ読み漁りましたが、

図書館で見つからなかった本を購入しました。

 

 

この本は、マコさんがミコさんの三十三回忌に寄せて、

55歳の時に書かれたもので、

ミコことみち子さんの名前を佐智子と言う名に代えて、

小説風にマコさんのその後の人生が描かれています。

 

55歳、まさに今の自分が迎えている年代、

30年以上も前のミコさんと過ごしたほんの数年間の

おそらくマコさんの人生の中で宝物のような輝きを放つ

辛かったけれども悔いなく真剣だったあの頃、

そうした経験をした人の30年間の心の動きを知りたくて読みました。

 

どうしても、女性心理としては、

マコさんが後に「愛と死をみつめて」の読者だった方と結婚され、

マコさん曰はく、ミコさん経由のご縁だったのだから、

その辺りの心情の変化も詳しく知りたいと思った訳ですが、

きっと、それを書くと、言い訳のように取られる読者も

出てくるからでしょうか、書かれていませんでした。

 

ただ、ミコさんのお父さんとの交流が続いていた事実が、

やはりマコさんにとってのミコとの日々を証明しているような

安心感を覚えたとともに、

お父さんと交わす会話から、あらためて深い感慨を得ました。

 

お父さんはご自身の戦争体験とも重ねて、

「人間は、生き続けるもんと、死ぬもんと、

自分の意志では決められへんのやで」

と語るシーンがあります。

映画では、笠智衆さんが演じられていた役でしたから、

私の脳内映像は名優、笠智衆さんのセリフです。

 

この小説に散りばめられた、おそらく実際に、

マコさんとお父さんが交わしたであろう会話から、

私なりの解釈ですが、

もしミコが生きていたら、

今の自分がなかったということを再確認することで、

ミコの生きた証を刻んだのだろうと想像しました。

 

ジャーナリスト志望だったミコさんが、

元気で、夢を叶えて、世界中飛び回っていたら、

「結婚せえへんかったかもなあ」

と、三十三回忌にまるで娘婿のように再会した相手に、

お父さんが言われたセリフも、

何か奥深い思いやりを含む言葉として聞こえてきました。

 

この本から、さらに25年が経っています。

マコさんのお元気な様子がどこかで知ることができないだろうか。。。

 

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