March 2011

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら/岩崎 夏海
¥1,680
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本屋に平積みしてあるこの表紙を一目見て、人気があっても自分の読む本ではないな、と勝手に決めていた。が、職場の先輩から意外におもしろい、と勧められた。「超いいよ!」と勧められていたら読んでないかもしれないけど、「文章が稚拙だけど、ドラッカーのすごさはなんかわかる」と言われたので読んでみることにした。
文章が稚拙って・・、本としては致命的なのに、それでもドラッカーのすごさがわかるってことはある意味、この作者もすごいし、ドラッカーもすごい。

確かに、先輩の言葉は的を得ている。なんか一昔前のRPGのテキストのような文章で、「みなみは、●●を学習した。」「みなみは、●●をしてみることにした。」という表現が多くて、苦笑してしまう。これ、狙ってるんだろうなー。にしても、やっぱり小説としては言い回しが拙いのはどうしようもない。

それはさておき、ドラッカーの『マネジメント』の引用と、それを高校野球で考えた際の応用の仕方には目を見張る。最初の、高校野球部の顧客って?という問いからして、非営利団体の顧客ってあるの??と思ってしまうような経営感覚ゼロの人間からすると、目からウロコ。そう、自分は非営利団体に所属しておりまして、顧客とは、顧客のニーズとは、それに基づく組織の存在意義とは、というあたり、まったく考えたことがなくって、本当に感嘆してしまった。。。恥ずかしいけど事実。

まぁこれは小説だから話ができすぎているけど、ビジネス指南をわかりやすく応用してみせた、しかもビジネスの世界ではなく、非営利団体の場合で!という意味でものすごく画期的。ぴもーはいつもビジネス書を読んでも自分の会社にはどう当てはめたらいいのかピンと来なくて、ケースが違うから違うよなー、と素通りしてしまっていた。まったく恥ずべきことだ。非営利団体にもマーケティングが必要。顧客が誰かということを定義し、顧客のニーズから自らの存在意義を定義すること。非常に明快。
たぶんこれを読んだ人は『マネジメント』をちゃんと読んでみたくなっているに違いない。

そして、現在、「もしドラ」(巷ではこう略すらしい)の自分版を想定中。。。
February 2011

猫と私の「老い仕度」/宇都宮 直子
¥1,470
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昨年の9月からぴもーは猫を飼い始めた。それ以来、本屋や図書館に行くと動物のコーナーもチェックするようになった。病気や飼い方の本はもちろんだが、動物の出てくるエッセーも気になるようになった。

この本で登場する猫「シュガー」は世界で一番飼い主に愛されている猫の一人だ。飼い主は自らを母と自認し、シュガーを亡くしたら重篤なペットロスにかかるであろうことも間違いない。はっきりいって本当に猫の親バカのエッセー。
でも、「娘」のちょっとした老化にとても敏感でることにはまったく関心する。単なる親バカではなく、よく気づきよく学びよく動く親バカだと思う。

ぴもーはこんなに自分の同居人を愛せているとは思えない。ちょっとしたことに気付いてやれるとは思えない。それは自分も猫もまだ若い部類に入り、それほど自分の老化を意識していないからだろうか。

生き物は老いる。その切ない事実を正直にちょっと神経質にちょっとおかしく伝えてくれる本でした。

印象に残ったところは、『シュガーに世界で一番誰が好き?と聞いたら間違いなく「あたし」と答えるだろう』というくだり。これにはうん、うん、と納得してしまった。それこそが我らが猫に囚われる所以だ。人間がどれだけ猫に尽くし、どれだけ愛情を注いでも、きっと全世界の猫はそう答えるに違いない。だから猫はいい。
January 2011

「たった一行」で思いどおりに仕事を動かすメールの書き方・返し方/芦屋 広太
¥1,449
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メールを書くのに時間をとられまくっていると思う今日この頃。なるべく電話でパパッと終わらせようと思うが、やはり何人かで情報共有するためにはメールが有効。でも複数人に送るとなるとやはり文面は気を遣う。そうすると自然と文章が冗長になり、結局ポイントがぼけたイマイチなメールになっている気がする。

そういうわけで、省エネでもポイントをとらえたメールを書く秘訣を。。。と思って借りてみた。しかし、この本のタイトルにある、「たった1行」で、というのは結構ウソで、わりと長い文章を書いている例文が多かった。まぁでもTIPSはいくつかあったので忘れないように記しておく。

・文章ではなく、項目立てて箇条書きに。目的、事実、理由、推測等を分けて書く。
・相手を動かすためには相手にインセンティブを与える。(相手の上司に相手の働きが耳に届くようにする。これを頼めるのは××さんしかいないと○○さんも言っていたetc)
・何でもやらせようとする相手には一言、相手の義務に言及してやんわりと釘をさす
・無理な依頼を了承してもらうには、大義名分と、相手がそれをした時のメリット、それをしなかった時のデメリットに言及
・角を立てずに断るには、相手の立場にたって理由を添える(eg かえってご迷惑になる。素晴らしい提案で自分はやりたいが、当社は貴社の先進的な考えについていけていない。etc)
・YESを言わない相手に決断を促す際には、残っている課題を浮き彫りにし、それが解決されればYESと言わざるを得ないようにする(○○が解決されれば次のステップに移ることができるという理解でよろしいでしょうかetc)
・また次も手伝ってもらうためには、相手の上司に相手の働きについて褒めてもらうように頼む

例文がたくさん載っていたので結構使えそう。しかしそんなことしていたらやはり時間を食うので、こういう文章がスッと出てくるようになるといいなぁ。。。毎日70件くらいメールを受取り、30件くらい返信を書いているが、なかなか。定型文登録でもしておくかぁ笑
December 2010

愚直でまっとうな不動産投資の本/長谷川 高
¥1,500
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不動産投資にちょっと興味を持ち始め、最初に選んだ本がコレ。不動産投資を勉強しようと思い、amazonで本を探していて見つけた。口コミを読んで好印象を持った。タイトルもそうだが、変に成功談を収めた本ではなく、まじめに客観的に書いている本がいいと思って選んだ。

確かにまともなことが書いてあるように思えた。不動産投資だけでなく、投資というものを始める人必読?

1)わからないものには投資しない→土地勘の無い場所で不動産投資はしない
2)本当に成功したとわかるには時間がかかる→高利率に騙されないこと。長期にわたる空室リスクを考える。
3)自分に合った投資戦略を持つ→徹底したマーケティング、逆張りの発想、自分が住みたいと思える条件等、こだわりの戦略を持つ。
4)長期にわたって勝ち続けることは無い→勝っている時に一歩ひいてみる。そこが頂点で次の瞬間転がり落ちるポイントかもしれないから。
5)労働市場での自分の価値を高める→レバレッジを利かせるためには、労働市場の自分の価値がものをいう。金融市場で儲けることを考える前に、労働市場での自分の価値を高めることが重要。年収が高いほどいい投資ができる。

最初に読む本としては正解だったと思う。かなりわかりやすく書いてあった。ただ、割と一棟物を想定した話題が多かったと思うので、もう少し別の価値観からの不動産投資の本を漁ってみようかなー
しかし本当に不動産投資に打って出るほどの勇気がぴもーには無いかもしれないので、読み倒れになる可能性大。。。
November 2010

二十四の瞳 (ポプラポケット文庫 (373-1))/壷井 栄
¥693
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小豆島に行ってみようかとふと思ったのがきっかけ。小豆島といえばオリーブとこれだ、と思って行く前に読んでみることに。図書館で蔵書検索をすると、児童書のカテゴリーに入っていた。映画にもなっているのでてっきり普通の小説だと思っていたのでちょっと意外に思った。

戦時中の先生と生徒の話というのは知っていたけど、本の中で小石先生が12人の生徒に教える期間はほんのわずかで一学期だけ、というのもまた意外だった。30年近い歳月を短いページ数に収めているので仕方ないが、たった一学期間教えただけでそれほどまでに生徒の心と結びつきができるものか?というのが一番腑に落ちないところ。

また、ストーリーの視点が先生だったり生徒だったり、第三者だったり、視点が変わるのでいまいちのめりこめない感じ。淡々と描こうとしているようで、妙にもったいぶった書き方をしているところもあり、文章としてはあまりうまくないように思った。

でも話としてはいい話だし、ヒーローもヒロインも無く、庶民の感覚で納得できる内容。田舎の子供にとって戦争がどんなものだったか、はっとさせられることもあった。島の名前は出てこないが、瀬戸内海の小さな静かな島の岬の光景がよく描かれていて、自分の中でしっかりとシーンが想像できた。
ぜひ映画も観てみたい。