黒革と白い粉
→黒と白1.
→黒と白12
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黒革と白い粉13
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自分に言い聞かせるように
アパートには戻らず、そのまま自宅のマンションへと向かった
部屋に入れば数日ぶりの匂いがし。あのアパートとは比べものにならない程の家具や家電が揃っている
これらを麦に見せれば何と言うんだろうか？
あの電気コイルの狭いキッチンで一つだけの鍋に湯を沸かし。その中で大根を炊いていた
着替えないまま大きすぎるソファーへと両腕を伸ばし、ぼんやりと額を天井へと向ければ。一人、持ち込んだシュラフで眠りに就いているだろう麦を思い出す
ゆっくりと視線を戻し部屋の中を見渡した
何か持って行けるような電化製品はないだろうか？
自身の部屋を改めて眺めると
ふとベランダに視線が行き、すぐにガラス越しに映る自分の姿を見つけてしまう
黒のシャツに、同色の革のパンツ
らしくない。この部屋の物をあいつにとか
何をしょうとしていたんだろうか
そのまま着ていた服を脱ぎ捨てシャワーを浴び
その間も、部屋で浴びずに共に銭湯へ行けば良かったのだろうかと。考えてはらしくない自分に苦笑いし、流れを止めた
あいつはまだ何者か分からない
なのにオレはアイツを飼っている
身の隠し場所として置いてあった空間
そこに住む、穏やかな麦
｢ さて様子でも見に行くか ｣
心の声を打ち消すように
それを監視だと位置づけようとする
クローゼットのボストンバックを手に取ると、長く袖を通していなかった服を詰め込んだ
清掃も洗濯も知らぬ間に委託業者が入っていて。どこを見ても埃ひとつ見当たらない
それが逆に酷く落ち着きを鈍らせる
冷蔵庫の中に用意された惣菜のタッパーも袋に入れると部屋を出た
らしくない自分
当たり前のようにタクシーを呼ばず
地下鉄への道を歩いた
左手には重さを感じるバッグ
そして右手には今まで生きて来た汚れを感じながらも、麦と共にいる時間だけは忘れる気持ちになり。それは堅気の人間を連想させた
マンションからアパートまでは二度乗り換える
最後の駅で、ふと立ち止まった
確かでは無かったが
誰かの視線を感じたからだ
そのまま背中を回転させることも無く
構内マップから特定の場所を探し出し、そこに向かう事にした
駅に喫煙場所は限られている
場所によっては置かれていない所もあって
古い路線だと人波も寂しい場所に設置されていた
昔からの路線
コンクリートの壁には滑らかなタイルが子供の遊びのように並べられ貼られていて
そのタイルの目地を眺め、煙を吹きかけた
背後は壁だ、
誰かが追ってきたならば
嫌でも視界に入るだろう。しかし、この位置は死角
ここに来る前に角を曲がれば違う路線の列車へと乗り換える事も出来た
指に熱さを感じながら
そっと灰皿に殻を潰すことなく置き
まだ煙を立たせた
同時に鳴り始める列車の到着
すぐ隣へと入って来る路線と、角を曲がり数メートル先の路線
どちらも同時に入り
違う方向へと行ってしまう
騒がしい警告音が聞こえブレーキをかけ始めると
オレは角を曲がり、そのまま上への階段も越え。あちらの路線へと歩き出す
間もなく閉まり始めるドアに
大きく曲がり込み元の路線への列車へと乗り込んだ
誰かの足音があったかもしれないが
煙の残りと居なくなった姿にかわせただろうか
そのまま走り出し目的の駅へと着いた
もう誰の視線も感じない
この世界に長く居れば身に付く感覚だった
アパートに戻りバイクがあるのを確認すると、部屋へと戻る。しかし鍵を出しドアを開こうとすれば数センチだがドアが開いていた
背中を走る不安と先ほどの視線を思い出し、部屋へと駆け込んだ
｢ 麦！？ ｣
そこにあの子の姿は無く。ただ一枚、テーブル代わりに使っていたビールケースの上にメモが置かれていた
”返して欲しくば下の店に来い
それを読んだ瞬間。オレはバックを室内に投げ込み、大さんの店へと部屋を出てすぐに歩き出していた
・・・・つづく
おはようございます
凄い雨と雷に目が覚めました
本気だして来たね！
嵐メール·····凄いわ
しかも東京だけって。
今回は全国回らないのね
他にもあるのかな
カイトジャケットの原画も
あるのかな？
freestyle懐かしい
大好きなお友達と入ったなぁ
どうか無事に開催されますように
今日も良い一日を～♡♡
