アラシア堂の百科事典(2( 小説・嵐 ) | なうのこたつ保管部屋

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辞典2.


いつもはお客さんが2.3人いれば
十分すぎる程のアラシア堂ですが

朝だけは
モーニングのせいで従業員全員が
カフェエプロンを着けて働いている















二 「 3番 コーヒーとトーストできたよ」


潤 「 了解!おまたせしましたー 」


 「 ねぇ2番さん 
で玉子まだって?


二 「 はいはい、
今できるからちょっと待ってて」


翔 「 あのさ 
ジャムないかって1番のお客さん

二 「 あぁ 
裏の冷蔵庫に去年作り置きした

スモモのジャムありますから
ココットに入れてあげて下さい 


あぁ忙しい・・なんでしょうね
朝だけは 本当に目がまわりそう

水出しコーヒーだから
簡単なコーヒーとは違い
出せる量に限界があります。
一晩コーヒーをセットして
一滴づつ抽出して朝温めて出すのだから

無くなれば当然そこで終了なんですけど

そう言えば、奥さんの姿見えませんね
何処にいるのかと探せば










 いた・・・

店の特等席で気持ち良さそうに寝ています
本当、頼りになるなぁって時と
そうでもないなぁって時が
激しい奥さんですよ

さぁモーニング分のコーヒーがなくなれば
あとはお客さんも仕事や忙しい時間
お店も落ち着いてきます

じゃあそろそろ雅紀くんに
行ってもらいましょうか

智くん、奥さん起きて下さい

「 ん・・ん、雅紀・・じゃあ行くか」
奥さんはゆっくり目覚めると

雅紀くんに瞳を閉じて
意識を集中するように促しました


瞳を閉じて
お話の世界へ


一瞬あしもとがフッと軽くなり
身体が浮いたような感じになる

いつまでたっても慣れないから、
みんなに笑われるんだ


問題の場所まで昨夜読んだ


「 真夜中のお姫さま 」

そのストーリーを反芻する

ある城にすむ 王様と王妃さまには
子供が中々出来なかった
王妃は悲観し
城の池にいたカエルにつぶやく

もう天使でも悪魔でも可愛いプリンセスが
生まれるならば なんでも言うことを聞くと

それから1年たち王妃には
待望のプリンセスが生まれた 
美しく愛くるしい仕草に
城中が幸せに包まれる

そして・・
月日はながれ
15歳の誕生日が間もなく来ようとしていた時
プリンセスは王様と王妃にこう告げる

「 わたしは15歳の誕生日に
息を引きとるでしょう
王妃さまが悪魔と交わされた約束によって」

しかし、
泣かないで下さい。
私が息を引きとると教会へ
連れて行き必ず衛兵に
3日間守衛をさせてください

もし、3日間すべて
勤めあげる者が出れば私はもう一度
生き返ることが出来るのです。

そう言って 
プリンセスは予告どおり息を引きとった
プリンセスの希望どおり
毎晩腕のたつ衛兵が夜中も
守衛に立つ

しかし朝になると、その者は
消えてしまい所在不明のままで

毎夜 同じような結果に
とうとう衛兵の志願者はいなくなり 

村の羊飼いのアルトが
謝礼金で母親をラクにさせたいと
名乗り出るはずだった・・

しかし・・・
ここで話が止まっているらしい


おかしい・・
アルトの家のそば

雅紀はそっと、家の中を覗き見ると
そこには 棺に入ったアルトの姿が

わかった・・・
アルトは本来 
最後まで生きていないといけないのに
途中で亡くなってしまったんだ

オレはプリンセスの棺が安置してある
教会へ行く 衛兵の姿はまだなく
今日の守衛者をきめかねているのだろう

そっと小窓を開き
その愛くるしい顔をみる
眠っているような顔だった

でも・・よく見れば口元にほんのりと
赤い血のようなものが

オレは小窓を閉めると
棺のまわりを調べる・・無数にある
衣服のちぎれた後・・

ここで 智くんの声がして戻ることとなった


続く