「大統領のケーキ」を鑑賞しました。
新潮社の中瀬ゆかり氏がラジオで、「この映画だけは、何としても観てほしい」と推していたので興味を持ったところ、先週の金曜日から地元の船堀シネパルで上映が始まった。毎日2つのスクリーンで4作品を上映しており、センスの良さが光る。
1990年代、サダム・フセインによる独裁政権下のイラク。国民が戦争と食料不足に苦しむなか、フセイン大統領は自身の誕生日を祝うケーキを作るよう、国内の各学校に命じていた。祖母と2人で暮らす9歳の少女ラミアは、小学校で行われたくじ引きで、「名誉ある」ケーキ係に選ばれてしまう。ケーキを用意できなければ重い罰が待っており、ラミアは途方に暮れてしまう。翌朝、祖母はラミアを連れて町に出て、ある店で女性に会わせる。高齢で糖尿病を患っている祖母はラミアを養子に出し、ケーキ作りから逃がそうと考えた。とっさに店を出たラミアは、自分がケーキの材料を集めれば祖母と暮らせると考え、町を駆け巡るが・・・。
混乱と貧困が渦のように巡っているイラク国内で、不条理を押し付けられる少女の姿が悲しくも美しい。ラミアを演じたバニーン・アハマド・ナーイフは、本作品で初めて演技をしたという。余りにも悲しい結末を想像させるラストシーンが、激しく胸を打つ。



