朝の暗闇の中で、何かがバタバタ走ってる。スパイだ。


「ひとつ目の恐竜の名前はなーんだ?」

おはようも言う前の息子の第一声。


「暗闇で何やってんの?」


「パパのことスパイしてたの」


朝からなぞなぞで頭を使って目を覚ますタイプか?


仕事に行こうと家を出ると、夏の早朝の暖かい乾燥した空気。35年前のアメリカでキャンプした時の空気だ。全く同じ太陽の暖かさと乾燥した夏の空気。思い出の感覚ってすごいな。


空港に着くと、「セキュリティゲートで並んでるの見えたから、コーヒー入れといたわよ」と、カフェですぐにコーヒーが出てきた。しかも、無言で「払わなくていいわよ」の合図。


マネージャーが近くにいるのであからさまに喜べない。小さく「ありがとう」と言って、コーヒーをもらう。


空港では、カフェで常連になると無料にしてくれることがある。


嬉しくても、スタッフが怒られないのかちょっと心配。コーヒーが一杯ただになるスタンプカードは、スタンプをいくつも押してくれるし、スタンプがたまって無料のコーヒーをもらおうとすれば、スタンプカードを返してくれて、次にコーヒーがまた無料になる。


開店前に、「コーヒーできる?」と聞いてみると、クレジットカードの機械がまだインターネットに繋がってないから、払わなくていいわよ。


それでビジネスが成り立つからすごいな。


空港だからコーヒーしか買わないけど、これが違うところだったら、「いつもサービスしてもらってるから、あそこのレストラン行こうか」ってなる仕組みだな。お金を使えば自分にめぐり戻ってくるような。ただ、お金は使わないと入って来ないと言う人もいるけど、それは散財すれば沢山めぐり戻ってくるという意味ではないと思う。使わないと入って来ないと言うけど、一番手っ取り早いお金の貯め方は必要以上に使わないということだと思う。あまりにもケチになりすぎて、出し渋ってたらだめなんだろうけど。たまにはコーヒー奢ってあげるとか、ちょっとした流れを作れば良いのだと思うけど、これは自分の考えで、スピリチュアルな人は違う考えかもしれない。


こないだ、コーヒーを奢ってあげたら「ここ最近でこんなに嬉しいことなかったわ」とすごく喜んでくれた。コーヒーだけなのに。コーヒーぐらいなら、知り合いがレジに並んでいれば買ってあげる。そんな小遣い程度で誰かが喜んでくれるようなお金の使い方だと思う。何十万もするブランド品を買ったからといって、大金が舞い込んでくるわけがない。


話は変わって、先日メルボルンに滞在した時、フランス系のホテルに泊まって、「ボンソワー!」ってボーイが部屋に来た。


「ベッドを用意いたしましょうか?」と言ってきたけど、もうベッドメイキングされてるし、大丈夫ですと言ったら、じゃあ、ラベンダーのミストだけでもどうぞと言って、小さな箱に入ったスプレーボトルをくれた。そこまでは素晴らしいエクストラサービスだなあと思った。そしたら、「ユーハバナイススリープ、オーケー!?」と言って去っていったんだけど、その最後の念を押すような「オーケー?」が、友達に言うようなカジュアルな感じに聞こえたので、「いい夢見ろよ」っていうような感じに聞こえてしまった。悪い気はしない。フレンドリーで良いんだけど、日本人の感覚からすると良いのかなあと思ってしまう。日本人が構え過ぎなのかもしれないけど。ユ○○ロのレジから出てきて袋を両手で渡すサービスとか、行き過ぎだろと思うけど、日本人はそれに馴れてるから、「また来てね」ぐらいのカジュアル対応になると苦情の嵐なのかな。


それにしても、カジュアルさといえば、ここのブランド店通り。


ドアで構えてるスタッフが、携帯、腕組、ポケットに手突っ込み、あくび。いいのかよ!?


まあ、携帯をいじったり、レジでお菓子食べながら接客するのは普通の店ではよく目にするけど、ハイブランドの店でもありなのか?