こんばんは、龍司です。
本日、鹿児島でホテル王を目指すnanshukan さん から
5月14日の∞最前線通信 「ニューミドルマン」の記事 にトラックバックをいただき、
「楽天ショック 」の記事を興味深く読ませていただきました。
昨日の日経流通新聞の1面にもこの記事が掲載されていまして、
非常に興味深いものだったので 実は私も記事に書いて
nanshukan さんへトラックバックしようと思っていたんですよ。
気持ちが「シンクロ」していますね。
「楽天ショック」とは、
国内宿泊施設の予約サイト最大手の「楽天トラベル 」が、
旅館・ホテルとの契約条件を変更し、大手旅行会社と同様に常に一定の部屋数を
提供するように迫ったのがきっかけで起こった事象です。
(現状では、インターネット予約サイトでは夏休み等の旅行者が
集中する時期は予約がとりにくい傾向がありますが、
常に一定の部屋数を確保できれば ユーザーにとってのサイトの価値も上がります。)
今までは「楽天トラベル 」のようなインターネットでの「宿泊サイト」は、
ホテルが大手旅行会社に提供して余った部屋をさばく場所、
つまり大手旅行会社の代替、補完(オルタナティブ)でしかなかったのです。
しかし、インターネットの急速な拡大の波の中で、
昨年の楽天トラベルの送客数は1400万人にもなり、
JTBの半分にまで成長したのです。
みなさんのなかにも旅行に行かれる際に
インターネットで検索なさる方は多いのではないでしょうか?
インターネットでの「宿泊サイト」は自宅で簡単に
しかも詳しく案内してくれるユーザーにとって身近なサービスになってきていますよね。
「宿泊サイト」は、もはや大手旅行会社の代替、補完(オルタナティブ)にとどまらず
ユーザーにとって「メイン」のアイテムになってきているのです。
「楽天トラベル 」は 以前お話した「ニューミドルマン 」のポジションを
確立したといってよいでしょう。
そこで、「楽天トラベル
」は ついに年間で常に一定数の部屋を
提供する契約コースを打ち出すまでになったのです。
ところが、驚いたことに 今月16日に開かれた国際観光旅館連盟の年一回の総会で
近畿支部の北原理事は「とても受けられない。撤回を求める」との抗議声明を読み上げ、
しかも会場に集まった旅館やホテルの関係者約200人から
この楽天トラベルへの反発声明に一斉に拍手があがっていたというのです。
今後、ますます利用者が増えるであろうインターネット「宿泊サイト」に何故、
これほどまでに反発しているのでしょうか?
宿泊施設が楽天トラベル に支払うマージンはこれまで一律7%だったのに対し、
今回 楽天トラベル が打ち出した宿泊施設との契約内容の抜本改定が導入されると、
常に一定数の部屋を提供する契約コースを結べばマージンは8-9%、
こうした制約がない従来型の契約を結べば10%のマージンを
楽天トラベルに支払わなくてはならなくなります。
当然、宿泊施設側の支払額が増えるわけですから反発もなさるでしょう。
(※JTB,近畿日本ツーリストなどの大手旅行会社は、
宿泊代金の13~16%ものマージンを受け取っているのであり、
楽天トラベルが打ち出している8-9%は まだまだ安いマージンにとどまっているのです。
従来の旅行会社よりも「予約サイト」の方がマージンが安いこと自体、おかしな話です。
楽天トラベルは13~16%を主張してもよいのです。)
しかし私は、
「宿泊施設」と「予約サイト」の関係が 今 大きく変化している
と感じております。
以前は、「宿泊施設」自体がもっとも重要なのであり、
そこへお客様を紹介する旅行会社、ましてや「予約サイト」の価値は
非常に軽いものだったといえるでしょう。
ところが、インターネット革命以降
「予約サイト」というユーザーに近いところにいてユーザーを
ガイドする「ニューミドルマン 」の役割が高まってきています。
今後、関係が逆転していくでしょう。
従来は、「宿泊施設」が「予約サイト」を販促に活用していましたが、
今後は「予約サイト」が自社のプランにあわせて「宿泊施設」を
活用するようになると私は感じております。
これは時代の大きな流れであり、今後この流れは加速するでしょうね。
この逆転現象は宿泊予約に限ったことではなく、多くの分野でこの現象が起きるでしょう。
「宿泊施設」側は、「予約サイト」の価値向上にただたんに反発するのではなく、
「予約サイト」との関係性をいかにうまくとるか、を考える事が必要でしょう。
高い集客力を誇る「予約サイト」とうまく連携すれば、
多くのお客様、お金を自分の宿泊施設に呼び込むことができるのです。
P.S.
また、JTBや近畿日本ツーリストのような従来の大手旅行会社は 旅館・ホテルといった宿泊施設が「予約サイト」との関係強化へと流れてしまわないようにつなぎとめに必死でしょう。しかし、従来のスタイルのままでは 街によくある旅行会社の支店の窓口の案内係りの方々は失業する可能性は高いと思います。なぜなら、インターネット上で旅行や宿泊施設を詳しく案内してくれるサイトの方が より身近で より簡単にアクセスできるからです。従来の大手旅行会社は、今まで培ったノウハウをネットに生かして 大幅なリストラを行って収益確保を行うか、リストラを行わずに既存の支店に新たな付加価値を出す努力が求められるでしょうね。逆に大手でなくても何かに特化している旅行代理店が 新たな付加価値を出せれば お客様に信頼され高い収益を出すこともできるでしょうね。
私は、宿泊施設から支払われるマージンが インターネット予約サイトだと安く、従来の大手旅行会社だと13%から16%も支払われているという「守られた状態」は そう長くは続かないと思います。高いマージンが保たれている今のうちに 対策を練る必要があるでしょう。
P.S. part2 また、楽天トラベルと旅館・ホテルとの衝突をライブドア傘下のベストリザーブ は シェア獲得のチャンスと見て「当社は手数料を据え置きます」と全国の旅館・ホテルにFAXを送ったのだそうです。(ベストリザーブ社 のマージンは5%)
※「ショック」つながりで、「 ドットコム・ショック―新旧交代の経済学 」(著者: 大前 研一)
内容的にも今回の記事に関連が強いです。

