5月25日の日本経済新聞に興味深い記事が掲載されていました。
2004年の出生率1.28、最低更新・4年連続で低下
厚生労働省がまとめる2004年の人口動態統計で、1人の女性が生涯に産むとされる子どもの数が過去最低の1.28となることが明らかになったそうです。過去最低の更新は4年連続。  

 女性の晩婚化や出生率の低下が問題視され、まるで女性に問題があるかのような発言をなさる方もいますが、私は原因は女性にではなく 社会的背景にあると感じています。

 

 4月24日 の「GMO 熊谷社長の夢設計図でもお話しましたように、今は産業の大転換期です。高度経済成長時代には「1億総中流」といわれ、多くの方が平等に年功序列で給料も上がっていく・・・・という安定感がありました。経済は右肩上がりに永遠に成長していくと思われていたのです。こうした世の中であれば、結婚も早いでしょうし子供も安心してたくさん作るでしょう。しかし、こうした社会構造、産業構造はバブルの崩壊と共に崩れました・・・・
 大前研一氏が「
サラリーマン・サバイバル 」で述べているように、日本は「工業化社会の終着駅」で立ちつくしてい状態だと言えるでしょう。この本の中の一部を紹介します。
P.23「今までの工業化社会では全員が産業の”駒”であり、どこの国でもブルーカラーとそれをサポートするホワイトカラーの給料のレートは決まっていた。つまり、大量生産方式のもとで「勤労」という概念があり、労働者は午前9時から午後5時まで、あるいは二交代制や三交代制で夜勤は5割増しといった一定のルール(就業規則)に沿って、自分の時間を会社に切り売りしていたのです・・・・だが、産業の”駒”として従来型の労働を提供する人は、これから加速度的に職場を失っていく。すでに従来型の労働を必要とする産業は、人件費の安いベトナムや中国などにどんどん移転している多くの産業、企業がアジアなど人件費の安い海外へ移っていったおかげで、気がついてみたら国内は根こそぎ空洞化し、ほとんどの労働集約型の産業そのものが消えてしまった。それが「工業化社会の終着駅」だった 
 こうした「工業化社会の終着駅」に立ちつくす男性に女性が一生を託せるでしょうか?
沈んでいくタイタニック号に乗っていく状態になるかもしれないのです
 その一方で、「 サラリーマン・サバイバル 」のなかでも述べられていますが、知的付加価値を成果で計る仕事、「知的ホワイトカラー」の方は かなり多くの収入を得るようになります。しかし、この層は圧倒的に少数なのです・・・・そうなると、多くの女性は多くの安月給で搾取される男性と我慢して結婚するか、結婚しないか どちらかでしょう。結婚しても経済的な理由で生める子供の数も制限されてしまうかもしれません。(もちろん、お金だけがすべてではありませんが)
 こう考えると、出生率は今後も下がり続けるのではないか、と私は予想しています。昨年成立した年金制度改革法では、出生率が2004年まで1.32で推移し、2030年頃には1.39に上がることを前提に保険料の負担と給付水準を設計していますが、これは難しい水準でしょう。 
それでも、ごく一部の方は多くの収入を得るでしょうから、余裕を持って家族を養えるでしょうし、子供もたくさん作れるでしょう。何人もの女性を養えるかもしれません。今後、日本でも「一夫多妻制」が採用されるようになるのではないか とも思ってしまいます
私は 「出生率の低下」という問題を解決するためには 男性がもっと仕事で成果を出すことが一番有効だと感じています。やっぱり男はがんばらないと、ですね。もっとも女性で能力の高い方もたくさんいらっしゃいますが・・・・
参考書籍:「 サラリーマン・サバイバル 」(著者: 大前 研一)