もう4年。

あの日は友人Sと飲み会の予定だったなぁ。

当日寝坊したので、電車ではなくいつものように車で出勤した。

仕事が終わり、一旦帰宅して車を置いてから飲み会に行けばいいやと。

この寝坊が結果的に吉と出る事は、出勤時には予想だにしなかった。

14時46分。

久しぶりに体験した激しい揺れにびっくりした。

そのまま仕事を続け、東北地方が震源で大きな地震だったと、社員の噂からわかった。

仕事中は大災害だったとは全くわからず、想像すら出来なかった。

仕事が終わり、車に乗り込んだ。

しばらく走ったら、信号機は消え、街は真っ暗だった。

初めて異変に気付く。

慌ててSに電話するも携帯は通信制限で繋がらず。

自宅もダメ。

何があった?

どうしたんだ?

当時乗っていた車のテレビは、アナログアンテナで車載テレビは見れず。

今では毎日通勤中に聴いているラジオをつけるという発想も、あの時はわかなかった。

大渋滞でいつもの3倍の時間が掛かり、やっと帰宅。

自宅のタワーマンションも停電。

17階まで階段で。

オール電化の為、帰宅しても何も出来ず。

タワーマンション&オール電化という最先端の自宅も石器時代に逆戻り。

懐中電灯なんかの準備はなく。

家族はペンライト一本で部屋にいた。

真っ暗のなか、娘が意外に元気だったのを見て、安心したのだけをハッキリ覚えている。

今日は飲み会どころではない事を、ようやく悟る。

何か悪い夢をみているようだった。

夢なら早く覚めてくれ。

それから数時間。

やっと電気がついた。

電気の明るさ、有難さをこの瞬間ほど実感した事はない。

テレビをつけた。

津波と原発の映像。

信じられなかった。

現実の出来事とは思いたくなかった。

電車は全て止まり、車で出勤したから帰宅できたのもわかった。

その時、友人Sは帰宅難民となり、徒歩で数時間かけて帰宅中だったと後から聞いた。

地震のテレビを見ていたら、気がついたら朝だった。

不思議と全く眠くなかった。