操縦訓練に入る前に高めておきたい2つの能力とは・・・
ずばり、「自己管理力」と「基礎英語力」です。
今回は一つ目の「自己管理力」について。
お客様を運ぶ事業用パイロットである上で、操縦中に自身の心身に異変が起こらないよう日頃から自己管理が欠かせないことは言うまでもないかもしれません。しかし、自己管理力は、飛行機を飛ばすという性質上、飛ばす本人の命のためのみならず、地上のヒトの命とモノの安全のためにも、学生パイロットとして初フライトをするその日までには養われていることが望ましいと言えます。
では、自己管理力とはどのようなものかというと・・・
ずばり、
「ストレスマネジメント力」のことなのです。
このことを理解するためには、どのレベルのパイロットも全てのフライト前に必ず用いる「 I’M SAFE チェックリスト 」 から掘り下げていくことが役立ちます。このチェックリストは、以前の記事でご説明したパイロットのメモリーエイドの一つであり、そのフライトをするか、しないか、フライトプランニングを始めるより前に自身の心身の状態から判断を下すためのものです。 I’M SAFE のそれぞれのアルファベットが何を意味しているかは以下のようになります。
I ・・・Illness (病気をしていないか?)
M ・・・Medication (薬は飲んでいないか?)
S ・・・Stress (過剰なストレスにさらされていないか?)
A ・・・Alcohol (アルコールを接種してから経過した時間は?)
F ・・・Fatigue (疲労感はないか?)
E ・・・Eating (食事をとったか?)
上記の展開されたリストを初めて見ると、「なんだ、当たり前のような6つのポイントだな」 と思われた方も読者の中にはいるかもしれません。 しかし、I’M SAFEチェックリスト はFAA (Federal Aviation Administration: 米国航空連邦局) が作成したものであるため、今までのパイロット起因の航空機事故の調査に基づいており、パイロット自身がにフライトに適しているか、そうでないかの判断を下す上でとても有効なものなのです。パイロット起因の航空機事故全てがこれら6つのどれからか、あるいは複合が引き金になっていると考えると、これら6つのポイントを確認することが飛行機を飛ばす上でいかに重要であるかが分かると思います。
ここで、6つのポイントを分析してみると、因果関係あるいは相関関係も見いだせることが分かります。
Ex: 過剰なストレスあるいはストレスの蓄積 → 疲労 あるいは 病気への耐性の低下
ストレス ⇄ アルコールで紛らわせたくなる心理
ストレスの蓄積 → 病気への耐性の低下 → 病気にかかってしまう
病気 → 薬で治そうとする
etc…
上記のように因果関係や相関関係を見出すことができましたが、そのどれもが「ストレス」に起因していることが分かります。
よって、ストレスからの影響度合いを日頃から自分で管理できていれば、I’M SAFEチェックリストを8割方パスできるということなのです!
そして、「ストレスからの影響度合い」を日頃から自分で管理するために欠かせない要素は私の経験上大きく3つあり、
「食習慣、運動習慣、睡眠習慣」
からなります。
これら 「3つの習慣を最適化し、ストレス軽減のために維持できること」 が、
ストレスマネジメント力がある、つまり自己管理力があると言うことができるのです。
食習慣、運動習慣、睡眠習慣それぞれについてはまた別の記事にて掘り下げてご説明したいと思います。
次回は操縦訓練に入る前に高めておきたい二つの能力の二つ目、「基礎英語力」について書きたいと思います。
今回もここまで読んでくださり、ありがとうございました^^


