今回は「パイロットになることで開発できる能力」というテーマで書きたいと思います。
このテーマでは私自身お伝えできることが多いので数回に渡って書いていきたいと思いますが、今回はその中でも人生においてこれからの時代欠かせないと感じている「自分の頭で考える」という能力について。
なぜこれからの時代にこの能力が人生において欠かせないのかというと、誰もが簡単にインターネット上で情報発信できるようになったことに比例して情報爆発が起きている中「自分の頭で考える」ことができなければ、その膨大な情報に振り回され自分を見失ったり、誤った情報を基にした行動の選択をしてしまいやすくなるからです。私自身今までの人生を振り返ってみて、パイロットになるまで真の意味で「自分の頭で考える」ということができていなかったと気づくようになりました。
私は12歳でパイロットになることを夢見て自主的に勉強するようになりましたし、中学生になってからは本当に真面目に「学校の」勉強に向き合い取り組んでいました。「学校の」と強調しましたが、私は「パイロットになる前の自分」と「パイロットになってからの自分」を比較したとき、前者のときの自分は学校の勉強をしっかりやってきたの故に “自分の頭で考えられている”ようで、そうではなかったのです。そして私はその原因は、学校の勉強には「考えた先の結論に正誤の解答が用意されている」ことにあったのだ、と気づくようになりました。というのも、私が訓練機を飛ばし始めたとき、常に自分の選択に対し「これは正解なのか?」という“正解”を求める心理が働き、隣に座っている操縦教官の方に自分の選択に対する正誤の判断を求めていたからです。もちろん、飛行機の操縦の仕方そのものには正誤はあるのですが、どのルートを飛び、実際の気象状況からどう飛ぶかというのは自分で考え選択しなければなりません。そして、それに「ベスト(最良)な選択」はあっても “正解” はないのです。
パイロットになると、この「ベストを選択する」という行為はフライト(飛行機を飛ばすこと)前のフライトプランニング(どこの空港に向かい、ルート(飛行経路)上の気象予報からどう飛ぶかを決める計画行為)から始まります。そして離陸後はそのルート上の実際の気象状況からその事前プランニングに修正を加え、さらにその時々の状況に応じたベストを選択したフライトをしなければなりません。そして、この「ベストの選択肢を選び取る」ために「自分の頭で考える」ことが求められます。実際にパイロットになるための(自家用操縦士免許を取得するための)訓練を始めると分かりますが、 自分で飛行機を飛ばしA地点からB地点に行くまでに常に求められていることの本質は「自分の頭で考える」ということなのです。
自家用操縦士免許を取得するまでに約50時間かかりますが、このたった50時間でも「飛行機を安全に飛ばさなければならないという状況下」では、この「自分の頭で考える」ことの良いトレーニングになりますし、その能力を開発することが可能です。私は実際その過程でこの能力を開発できたと感じています。
上記のようにお伝えしてきましたが、だからといって学校の勉強は「自分の頭で考える」ことには不要と言っているのではりません。正誤のある学校の勉強は、論理的思考力、計算の仕方、他者とのコミュニケーションの取り方等、「自分の頭で考える」 ために必要な多くのツール(道具)を授けてくれます。そういった多くのツールを所有していると、「自分の頭で考える」ことも容易になりますし、精度も上がります。
なので、こういった多くのツールをすでに所有していてさらにその上で「自分の頭で考える」ことができるようになりたい方々には、パイロットになる(自家用操縦士免許だけでも)ことを是非オススメしたいです。
今回もここまで読んでくださり、ありがとうございました^^