この記事では「エアラインパイロットを目指すことのススメ」をテーマとして書きたいと思います。
パイロットになりたいと夢見るきっかけは人それぞれだと思います。
私の場合は幼少時の旅客機内での家族との想い出を大切にしたかったからですが、純粋に飛行機や戦闘機を見るのが好きであったり、米国の名作トップガンや日本ドラマのGood Luck等を観てパイロットに憧れて、というのもあるかもしれません。パイロットになりたいと夢見るきっかけや動機は人それぞれで良いと思います。
一方、現実問題として現在日本を含め世界的にエアラインパイロット不足が深刻化しています。航空輸送が重要な役割を担う現在のグローバル経済を想像すれば、この状況がいかに深刻であるかは想像に容易いと思います。
日本国土交通省によると、2022年には6700 ~ 7300人のパイロットが日本では必要とされる状況ですが、2017年時点では日本のパイロットの総数は約5700人。2017年からの5年間で年間約100人のパイロットの引退を考慮すると、1500人の養成、つまり年間約300人のパイロットの養成が求められています。現在日本ではJAL、ANA、スカイマークの自社養成、航空大学校、私立大学のパイロット養成過程、民間の飛行学校というルートから年約230人の養成が可能ですが、それでも上記必要数と比較し年間約70人の養成不足の状態です。
特筆すべきは、この2018年現在の年間養成可能人数は日本の2022年パイロット不足問題に産官学が一体となって最善対策を講じた上でのものであり、それでも現実的にさらなる年間約70人の養成を実現していかなければならない状況にあるということです。
また、パイロット不足は日本だけの問題ではなく、世界的問題ともなっています。米国大手航空機製造メーカーのBOEINGによると、2017年からの20年間に世界的に約63万7000人の不足が予測されています。
一昔前はエアラインパイロットは花形職業で一部のエリート層しかなれない、目指しても就職できる確率はとても低いなどと言われたものですが、状況は変わってきています。確かに、日本の大手航空会社が行う自社養成に日本特有の就活で入ろうとすれば300 ~ 400倍の競争率をくぐり抜けなくてはなりません。 しかし、航空大学校、私立大学のパイロット養成過程、大手子会社やLCC(格安航空会社)の有資格者枠のルートからであれば、エアラインパイロットになれる確率は高く、現状から見てもこの確率は今後さらに高くなります。よって、エアラインパイロットになるのは意志があれば現在からの未来、夢物語ではないということです。
しかし、米国で一通り航空機操縦士ライセンスを取得し、操縦教官でもある私が付け加えておきたいことがあります。「高収入になる」という点に引かれてエアラインパイロットを目指すのはお勧めしないということです。ライセンスを取得していく過程で個々人の課題が待ち受けることになると思いますが、私は、自分で飛行機を飛ばしたことがない方が抱く理想と現実のギャップが大きい職種になりやすいと感じているからです。 私は、米国の大学で航空を学び実際にライセンスを取得してきた経験上、また多くの人命に関わることになることからも、よく言われる身体的適正以上に、先天的個性の面での適正がとても重要になる職種であると感じております。
幻想をかき消し、将来のパイロットの卵を温めていくためにも、私はこのブログで表面的ではなく、本質的にパイロットであるにはどういったことが必要かといったことを発信していこうと思っています。そして、パイロットを目指そうと想う方々やそういったお子さんをお持ちのご両親の方々をサポートしていきたいと思っております。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
参照:
風間秀樹 (2017)「日本の空を覆い始めたパイロット不足の難場 今の養成スタイルでは需要を埋めきれない」、<https://www.msn.com/ja-jp/news/money/日本の空を覆い始めたパイロット不足の難場-今の養成スタイルでは需要を埋めきれない/ar-BBEMKH7#page=2>(参照2018-4-29).