どの親も子供の幸せを願っていると思います。
「自分の子供に辛い思いはして欲しくない、幸せな人生を歩んで欲しい。」と。
そして、それは私の両親も同じでした。
私は小さなころから歌って踊るのが大好きな子供でした。
けれども、引っ込み思案で、人見知りが激しく、友達の少ない子供でもありました。
だから人前に出て発言することなんて、まずない!
新しいところには出向かない。
家でひたすら好きなアイドルやディズニーの歌とダンスを覚えてずっと踊って遊んでいました。
10代になり、形は変わっても踊ることは大好きで、
いつの間にか夢はディズニーランドのダンサーとか、宝塚とか、
とにかくショービジネスに関わりたい思いが強くなっていました。
入った学校にはダンス部がなかったので、
こっそりアルバイトをし、貯めたお金でダンスレッスンに通った高校時代。
部活のように毎日レッスンに行きたいと思っても、父は、
「趣味なら週1で十分だ」
と許してもらえなかったときの悔しさは今も覚えています。
サラリーマンだった父の思う幸せとは、
「大学をちゃんと卒業し、それなりの会社に就職し、将来の伴侶と巡り会い、
結婚、子供を産んで家庭に収まること」
だったのです。
ダンサーなど、とんでもない!
不安定な職な上、安定した給料もなく、福利厚生もない。
さらにスポーツ選手のように若いうちしか踊れない=働けない
両親も反対、そしてダンス歴も短いし、
うまくいくか分からないという不安もあり、
結局、ダンスは趣味に止め、大学進学しました。
そして卒業後は、ディズニーランドのステージマネージャーに。
憧れのショービジネスの世界。
楽しい反面、仕事は激務、そしてやればやるほど、
裏方に徹するのではなく、表舞台に立って自分も踊りたいという気持ちが拭いきれないまま、
そこで出会ったカナダ人のダンサーに影響を受け、突然カナダへ飛ぶ決心をします。
帰国後は職を転々としつつ、結局は正社員として働くこともなく、
20代後半で一大決心。
ピラティスインストラクターになるため渡米。
インストラクター職も父から見れば、不安定な職。
最後の職場は政府関係の立派な研究所の秘書。
ちょうど、この頃、父の勧めでお見合いもしていましたが、
お相手の方も私の勤め先を見て、合格のハンコを押しているような雰囲気がありました。
そして、「もう辞めます。ピラティスを学びに渡米するので」というと、
一気に表情が変わり、行動が理解できないという反応をしていました。
私はそこに、肩書きやブランドの強さと自分という一個人の価値のアンバランスさを感じていました。
決して早くないインストラクターデビューに不安もありましたが、
転向後の生活は一転。
私は社会人になって初めて、本当に仕事のやりがいを感じ、いただくお給料のありがたさを実感し、
毎日が新鮮で楽しかったのです。
もちろん、お給料は不安定。やった分だけもらえる。休んだらその分減る。有休も傷病休暇もない。
けれど、それも納得の上での決断です。
そこには不安はあっても不満はありませんでした。
さらに自分の好きなように仕事もアレンジでき、時間も有効活用できるようになると、
空いた時間を使って、翻訳の仕事をしたり、英会話を教えたりといろいろなことにチャレンジする
自分がいました。
そして皮肉なことに安定した職よりもこの不安定な職に変わってからのほうが、
働く時間は短くなったのに、お給料は、月によって倍以上になっていたことも。
もちろん、毎月変動はありましたし、会社に守られていない個人事業主ですので、
いろいろな不安は尽きませんでしたが、それでも生きている実感がありました。
こうして、インストラクター転向後は仕事で体と向き合い、
自分時間には大好きなダンストレーニングに明け暮れるという生活が始まりました。
両親は娘の自由さを半ば呆れるような、諦めていたような感じで
20代後半にはもう結婚も口うるさく勧めてはきませんでした。
両親、特に父が思っていた、これがベストだという人生。
そして、それを娘に歩んでもらいたいという気持ち。
それを知っていても諦めきれなかった、好きなことへの挑戦。
私は極端かもしれません。
それでも夢中になれるものがあって、大好きなことがあって、
それに没頭し続けられることに感謝です。
3人の子供を持つ母となった今、
子供達に願うこと。それは、幸せになってほしいということ。
自分の幸せを見つけて欲しいということ。
好きなことを、寝食忘れるくらい好きで夢中になれることを見つけてほしいと思います。
そして子供達がその夢を語ってくれる時がきたら、
その時は無条件に応援できる親になっていたいと心底思います。
だって、やはり親になって思うことは、無謀と思われること、それは辛い道だと
思うことはやはりストップかけてしまうかもしれませんから。
親になってやっと親の気持ちってわかるものですね。