賑わいのないジャンル

音楽界では昭和歌謡が大流行。アマチュアバンドも多く、各地でセッションも盛んです。他には吹奏楽、管弦楽、合唱。すなわち大編成ものです。知り合いのドラマーが加入している昭和歌謡のバンドは8人編成。歌手3人にサキソフォーンまでいます。


それに対して洋楽は数年間で明らかに衰退しています。

フュージョン。CASIOPEAとT-SQUAREの二大バンドコピーが大方で、次点がDimension。それ以外で活動している人はごく少数です。演奏の参考にしているライブ盤ではギター2人、鍵盤3人、サキソフォーン等大勢で演奏しています。しかしバンドの人数は4人だけ。ギター以外の人員は合成で出せるだけ鍵盤から出して、あとはヒマを出さざるを得ません。


結局来ない

フュージョンバンドに応募してきたベーシストは一度も顔を見せないままやめました。


ベーシスト本人曰く、一度目(練習日四月)=都合が合わず、二度目(五月)=葬式、三度目(来月下旬及び月末の二回)=骨折、です。

交渉にあたったギタリストによると管弦楽のコントラバスと掛け持ちでスラップベースも弾けると標榜していたそうです。しかし日程を決めた時に了承しておきながら前言撤回を繰り返して来ない。これではどんなに上手いベーシストでも初心者以下です。一音も出さないのですから。

たまたま不運が重なっただけですって?カレンダー通りの休みの人ばかりじゃないんですよ。バンド練習のために休みをわざわざ取ってます。何度もやられちゃバンドが進みませんしライブへ出られません。ギタリストが言いました。


「詐欺被害にあった気分です」


ライブハウスでの評価

電気楽器のインストロメンタルバンドはライブハウスの司会担当から「◎▲きってのテクニカル集団」などと紹介されることもあります。何だかこそばゆいなあ。


対バンの評価

よく対バン(共演者)の人から「カッコイイ」と言われます。楽器のみで勝負しているということで潔く見えるのでしょう。


歌あり曲の場合、ステージでは歌手が主役です。ステージ中央、なおかつ演奏陣より一歩前に立ちます。

一方インストバンドは楽器が主役。ステージの形状にもよりますが4人の場合は長方形かダイヤ型(冒頭写真)に並びます。ダイヤ型の場合は必然的にギターか鍵盤が中央も中央、ド真ん中です。場合によってはステージの崖っぷちから10㎝未満で、えーっ、こんな客席ギリギリのド真ん前なの?ということもあります。ブルーノート東京でオルガン・キングのジミー・スミスを観た時もそんな風でしたけどね。サイドへ行かざるを得ない歌あり曲のギタリストと鍵盤弾きの人にとってはちょっぴりうらやましいのですかねえ。


お客様の反応

楽器に興味のない人には全く聴いてもらえません。歌がないんじゃつまらない、ということです。

東京パラリンピックの開会式で演奏された布袋寅泰作曲「Battle without hornor or humanity(キル・ビルのテーマ)」。次回のライブで演奏するためにフュージョンバンドで練習中です。歌はなく、タイトルを知らずとも誰もが一度は聴いたことがある曲です。


インストはつまらないという人、食わず嫌いだと思うんですけどね。