ものまね王者メロトロン

先日「ハモンドしか使いませんバンド」の練習でビートルズを弾いてきました。オリジナル録音がピアノで前任者はハモンドスズキの「While my guitar gently weeps」です。音色はメロトロンのバイオリンソロとトレモロストリングス。ハモンドオンリーバンドにバイオリンが乱入です。

メンバーのうち初めてメロトロンを聴いた人が三人。偽物のバイオリンと判っていても少々のまれていました。ビートルズご本家も「ストロベリー・フィールズ…」でメロトロンを使ってますしね。私のメロトロンはnordに搭載のデジタルです。本物は下の白い洗濯機のような筐体で、現在もデジタルに進化して販売中。形態は洗濯機より小型の機種が増えました。


 


ハモンドクローン

ハモンドオルガンは人気があります。エレクトーンもシンセも嫌いだけどハモンドならいいという人もいます。元々送風式オルガンのものまねですがブランドだからでしょうね。電気の鍵盤の印象が薄いのかもしれません。有名なB3とC3の他にも種類があります。X66は見た目も音もアナログ時代のエレクトーンそのままです。

B3やC3は軽やかで透明感のある音から、つなぐスピーカーによっては重く歪ませることもできます。ハモンド系の音は各社デジタルシンセサイザーにほぼ搭載されていますが、重厚感と透明感を再現できないようです。その需要を受けてコンボオルガンという楽器が存在します。このコンボオルガンをハモンドクローンと言う人もいます。これもデジタルなので昔の本物ではありません。シンセよりは頑張ってるなという程度です。


中期ハモンドが優れているのは解ります。ほんの1mしか離れてないところで"オルガンキング"ジミー・スミスのライブ観てますから。ジョン・ロードも四回観ています。でもね、今庶民にB3やC3が手に入りますか?C3は20年以上前にグランドピアノが買える値段で売っていました。グランドピアノは新品でも買えますが中期ハモンドはすでにストラディバリウスの世界です。50~70年前の木製で機械式なので数が少なく持ち主が手放さない限り市場には出てこない。部品もないので部品だけで売り買いされています。


ボコーダー

という電子楽器があります。人の声を加工した音がします。私も坂本龍一さんの「E-day project」で初めて知りました。先々月くらいな話です。フュージョンバンドのギタリストは電気の鍵盤が好きな人です(全く弾けません)。この曲はボコーダーの音が私の所有機材で作れないという理由で一度断ったのですが、ギタリストが熱心に薦めるので年明けライブのセットリストに入ってしまいました。


 

「こういう音は私の機種では難しいです」

「ボコーダーはね、他にはこういう機種ないからね。無理なのは分かっています。おまかせします」

「一応コーラスか何かで加工してみますが」

「何か上手いこと作れないかなあ」


といったようなやり取りの後、スタジオ練習に行きました。合わせる前にボコーダーに似せて作った音を出しました。


「ボコーダーだ、ボコーダー!」


ギタリストが嬉しがっています。ちなみに材料にコーラスは使っていません。ボイス系を使っています。私はギタリストに言いました。


「ネットでボコーダー37500円で売ってましたよ。買いませんか」

「えー、あれ不安定で操作が難しいんだよ」

「○○(私の本名)ちゃん、△△(ギタリスト)が買ってくれるって」

ベーシストがギタリストをからかいます。私も加わりました。

「私は弾きませんよ。△△が弾くんです」

「えー」

「是非ポケットマネーで。新品ですよ。コルグのアナログシンセに搭載されてるやつです」