フランス料理で生演奏

先日、フランス料理店へ行きました。この店は土曜日の夜に生演奏を聴きながら食事をすることができます。演奏は食事がある程度進んでから始まり、2023年7月現在はハープ/バイオリン/鍵ハモ(鍵盤ハーモニカ)奏者とウッドベース奏者のデュオが演奏しています。


直近の演奏ではまずハープ独奏で『オズの魔法使い』の「虹のかなたに」やリスト「愛の夢」などを演奏します。ハープはオーケストラ用ではなく1mくらいのアイリッシュハープです。



ハープで数曲演奏したあと、ウッドベース奏者がやってきます。するとハープ奏者は立ち上がりバイオリンに持ち替えます。歌なしの楽曲をスピーカーから流し、それに合わせて二人で生音を聴かせるスタイルです。店内は柱と壁が多い上、持ち込み機材は大きなウッドベースと三種類の楽器、スピーカー、楽譜立てです。二人並んで立つスペースはありません。間に柱をはさんでお互いの姿はほとんど見えずに演奏です。曲目は「進撃の巨人」、「情熱大陸」、「シング・シング・シング」などでアンコールは「リベルタンゴ」。多岐にわたります。テンポが速くハイテンションな曲はデザートの頃。落ち着いて食事ができ、なおかつ楽しんでもらいたいという配慮ですね。


持ち替え演奏

鍵ハモに持ち替えるのは「シング・シング・シング」のクラリネット部分と「リベルタンゴ」のバンドネオン部分です。


特にバンドネオンは気鳴楽器なので音質が近いです。席が離れていたため鍵ハモの正確なメーカーは不明ですが、冒頭写真のハモンド・プロに見えました。スズキ楽器主力鍵ハモの商品名はメロディオン。小学生の頃は初め鍵ハモをメロディオンと呼んでいましたが引っ越したらそこの県民は同じ楽器をピアニカと呼んでいました。メロディオンとハモンドオルガンは同じメーカーです。教育用鍵ハモと比べると驚くような価格ですが、その分格段に良い音がします。鍵ハモはホースパイプで演奏し、バイオリン→鍵ハモ→バイオリンと忙しいです。


持ち替え二刀流の人

一曲の中で異なる楽器を演奏する人の脳内の切り替えには感心します。

私が二種類の楽器を演奏する時は曲ごとにあっちへうろうろ、こっちへうろうろといった具合で曲の途中で切り替えることはありません。ドラムと鍵盤じゃあ無理なんですけどね。ドラムをやめると曲の途中から大穴が空いてしまいます。


フリージャズバンド、ファーマーズマーケット(注)のリーダー、スティアン・カルステンセンはバンジョー、エレキギター、フルートとボタン式アコーディオンを持ち替えます。急いで持ち替える様子は観ていて楽しいですね。



注:変拍子目白押しの超絶技巧バンド。11拍子「Take5」や6分半で40曲のメドレーなど破天荒な芸風。