彼は不思議な力を持っています。
落し物と話をする事が出来るのです。
なぎさで拾われた物は、彼に話を聞いてもらうのを待っています。
あなたが落とした海の思い出も・・・ここに届いているかもしれません。
「なぎさ遺失物管理所」
~ 管理所内 ~
管理人:「君たちは落し物かい?捨てられたのかい?」
イヤリングの化身A:「落し物だよ!ミキちゃん泳ぎに来た時、濡れちゃいけない・・・って、外して置き忘れて・・・。」
イヤリングの化身B:「きっと今、必死で探してくれてる。」
化身A:「ミキちゃん、毎日着けてくれてたんだもの。」
管理人:「毎日着けるには、君らちょっと派手じゃないかい?」
化身B:「そうなの。会社で笑う人もいたんだ。でも、毎日、毎日・・・。」
化身A:「ミキちゃんは内気で、なかなか告白できなくて・・・。」
化身B:「だけど好き過ぎて、気持ちがあふれそうで・・・。だからひまわりの花言葉を毎日その人に投げかけてたの。」
化身A:「その花言葉は・・・。」
管理人:「”わたしはあなただけを見つめている”」
化身A&B:「どうして知ってるの?」
~ 管理所前の庭 ~
管理人の妻:「ここのひまわり、あなたの名前つけてもいい?」
管理人:「え?自分の名前をつければいいだろう?」
管理人の妻:「そうね・・・そうだわ。じゃ、これ”かずこ”のひまわりね。その方がいいわ。だってねぇ、ひまわりの花言葉ってご存知?」
管理人:「知らない。」
管理人の妻:「”わたしはあなただけを見つめている”」
~ 管理所内 ~
化身A:「ひまわり、今、お庭に咲いてる?」
化身B:「わたしたちの花、見たい!明日の朝。」
管理人:「いや、この家には無い。」
沈黙・・・
管理人:「名前をつけた次の日、あいつは倒れて・・・。二度と・・・戻らなかった。」
管理人:「ひまわりを見ると、あいつの事を思い出しちゃう。だからこの家には咲かせない。」
化身B:「逆だと思う。きっとおばさんはおじさんに思い出してもらいたがってると思う。」
化身A:「そうだよ!死んでいなくなったって、残った人がその人の事を覚えていれば、その人は生きてるんだよ。」
化身B:「わたしたちだって、もしミキちゃんが一生迎えに来てくれなくても、毎日ミキちゃんの事、想うもん。忘れないもん。だって・・・。」
化身A:「・・・・大好きだから・・・。」
~ その後、管理所内 ~
管理人:「・・・もうすぐ取りに来るそうだ。君らの持ち主。・・・お別れだな。」
化身A:「わたしはここに残る。」
化身B:「わたしだけミキちゃんと帰る。二人で決めたの。」
管理人:「え、何故?」
化身A:「おじさんのそばにひまわりがいなくっちゃ。」
管理人:「・・・ありがとう。でも大丈夫だよ。これからひまわりの苗を買いに行ってくるから。」
化身A&B 笑顔
管理人:「君らの事も、思い出すよ。」
「なぎさ遺失物管理所」では、今日も落し物が持ち主を待っています。
もし、なくしたモノを思い出したら、あなたも探しにきてくれませんか?
ーーーーーーー 終わり ーーーーーーー
NHKデジタルラジオのオムニバスドラマ「なぎさ遺失物管理所」
第5話 「イヤリングの物語」
出演 管理人 ミッキー・カーチス
イヤリングの化身A 藤井玲奈
イヤリングの化身B 山中ゆき
ちなみに、現在も放送中。番組表を確認されたし。
でも、受信可能エリアが極めて限られる(東京と大阪の一部地域のみ)上、専用の受信環境が必要となります。
ハードル高っ!(笑)
それでも、すべて揃えて東京へ上京、PCに録画(ラジオを録画っていったい・・・。^^;)したのは、ゆきにゃん
![ドキドキ](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/031.gif)
#どうかNHKさんに見つかりませんように。(爆^^;)
ではまた。