細かな"染み"も、見えてしまう。
無論、完全な環境だとは思っていない。そんなものがあるのなら、文字通り楽園なのだろうが。
半月も過ごせば、見えてくるものがある。もし自分が、それが見えない人間だったら楽しく生きていけたのだろうか。ふざけるな。「この町は素敵だ」なんて、本心から言うことはない。
やはり切欠など、大したことはない。大したことだ。青信号を渡っていて轢かれそうになるとは思わなかった。それが日常だというのなら、こんなにふざけたことはない。一昨日もそうだ。見通しの悪い駐車場から出た車の腹に、自転車がぶつかっていた。その前も。思い当たる節が多すぎる。
なんてことない。どこも掲げる「住み良い町」というものは、主語が抜けている。
汚点はここに住む人間だろう。いずれ俺も変わることになるだろうか。朱に交わるならそれもよいが、汚らわしい色にこの身を染めようとは思わない。
怒り、嘆き、ならどうするかと問えば、その色に染まるしかないのだろう。それも仕方無いと同情できる内容ならまだしも、それを免罪符にする恥知らずであるということが、非常に愉快だ。
非常に、愉快。