【000094】 | 壊れた機械人形

壊れた機械人形

やぁ、はじめまして。

ようこそ、『壊れた機械人形』へ。

不安は徐々に薄れ、冷静さがその隙間に還って来れば、元々広くない視野が元通りになり。


細かな"染み"も、見えてしまう。


無論、完全な環境だとは思っていない。そんなものがあるのなら、文字通り楽園なのだろうが。

半月も過ごせば、見えてくるものがある。もし自分が、それが見えない人間だったら楽しく生きていけたのだろうか。ふざけるな。「この町は素敵だ」なんて、本心から言うことはない。


やはり切欠など、大したことはない。大したことだ。青信号を渡っていて轢かれそうになるとは思わなかった。それが日常だというのなら、こんなにふざけたことはない。一昨日もそうだ。見通しの悪い駐車場から出た車の腹に、自転車がぶつかっていた。その前も。思い当たる節が多すぎる。

なんてことない。どこも掲げる「住み良い町」というものは、主語が抜けている。

汚点はここに住む人間だろう。いずれ俺も変わることになるだろうか。朱に交わるならそれもよいが、汚らわしい色にこの身を染めようとは思わない。

怒り、嘆き、ならどうするかと問えば、その色に染まるしかないのだろう。それも仕方無いと同情できる内容ならまだしも、それを免罪符にする恥知らずであるということが、非常に愉快だ。


非常に、愉快。