老いを考える その2 | Agunes~☆ほのぼのブログ

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お出かけ・時折介護のことを綴ります
微笑は幸せを運び、その喜びは心を綺麗にすることを信じて
  

ご訪問ありがとうございます

 

 

前回の続きになりますが、少し補足します

 

 

 

 

 

 

 

私は生まれてから結婚するまで

大阪に住んでいました

大阪に住んでいた頃、両親のほかに

わが子のように私の人生を支えてくれた

ご夫婦がおりました

 

こんなこともありました・・

高校3年生の時に、私は一度家出をしています

その時に向かったのは、奈良のこのご夫婦のところでした

おばちゃん(私はこう呼んでいました)は

私の身に起きたことを既にわかっていて

「どうしてたかと思っていたよ。

あんたのお母さんが何度も電話かけてきてたから~」と

私は、母のことではいつも我慢強い子でしたが、

どうしても耐え切れず家を出てきてしまいました

おばちゃんは、私に何も聞かずにいつものようにご飯を作ってくれて

慰めてくれました

 

 

そして、時が経ち

結婚が決まった時には

おばちゃんは、私の主人になる人を

「●●を東京に連れていってしまうから嫌い」とはっきりと・・

 

今は、その時の言葉が胸にささります

せめて、関西のどこかなら・・たまに会いにいけたのに

 

奈良のそのお家に行くことは

なかなか叶わなくなりました

 

大阪に帰省しても、主人の家にいることを与儀なくされ

実家にさえなかなか帰れなかった

長男の嫁という立場もあって、

実家に帰りたいとか友達に会いたいとか、言い出しにくかった

 

そして、いつしか

年賀状だけのお付き合いに変わっていってしまいました

 

 

奈良に行けたのは

結婚してから20年ぐらいは経っていただろうか

はっきり覚えてませんが、おっちゃんの車でお寿司を食べにいった

奈良に行けたのはそれからも1回だけ

それも確か数年前だったと思う

 

私が久しぶりに行くので

周りの様子も変わっていて、迷うかもしれないからと

最寄りのバス停まで、おっちゃんが迎えにきてくれた

 

おばちゃんは膝の調子があまりよくないからと

家の前までは出てくれていたが、バス停までは迎えに来なかった

 

そして、今月大阪に帰ったついでに訪ねることにした

行く前に2度、日にちを変えて連絡、

当日も今から行くからと電話して・・

 

 

門扉の前のポストに

たくさんの新聞が折り重ねっていて

調べると、一週間分ほどたまっていて

ポストの中には郵便物が残っている

 

おかしなぁ~と思いながら

門扉を開けようとすると

とても固くて、なかなか開かない

やっとの思いで開けて中に入ると

玄関までの通路が、両側から生え出てる垣根が伸びていて

身体を横にしないと進めない・・

 

こういった手入れはいつもおっちゃんが趣味でやっていたのに

出来なくなったのか??

 

なんとなく、様子が違っているように思えた

そして、おそるおそるチャイムを鳴らしてみると

なかなか返事がない。物音もしなくて

えっ!行くって電話しておいたけど留守??

 

再度、チャイムを鳴らすと

中から、「ちょっと待ってーー」と、声が聞こえた

 

それから10分ほど待っただろうか

扉が開き

中から、みそぼらしい恰好をした人が顔を出した

 

一瞬、私は家を間違えた?

いやそんなはずはないと

その人に向かって、「ヘルパーさん?」と聞いた

 

そしたら、は?という表情で

「●●」と私の名前を呼んだ

 

えーーーーっ?

もしかして、おばちゃん???

 

心の中で、声も出せないまま、

私はよーーくお顔を見てしまった

 

あーーーー、面影はある

おばちゃんだ

もう、頭の中、ぐちゃぐちゃになった

 

あまりにも変わり果てていた

別人のように・・

 

 

あんなに快活で若若しかったおばちゃんが

痩せ細り、げそっとしたお顔になっていた

 

声は以前のまま、元気なおばちゃんの声

だから、電話の声から元気だと思い込んでいたのだ

 

 

 

おばちゃんはとても嬉しそうに私を招きいれた

でも、お尻で摺りばい状態で移動

「足の裏が痛くて歩けないのよ」・・と言いながら

すごく細くなった足をバタバタ動かして

おっちゃんがいる奥の座敷まで

 

おっちゃんは更に酷い状態だった

座敷の隅に寝ころがっていたが

私を見てすぐに身体をおこしてくれた

頬はえぐれ、髭も首のあたりまで伸びている

目も痩せたからギョロッとして、明らかに昔のおっちゃんとは違う

洋服もへたれてて、ズボン下から覗かせる足がガリガリで

 

おっちゃんは、高校の体育教師で

学校では生徒指導の役もしていた

もともと細見だったが、

キリっとしていて、なかなか格好良い人だった

それが、無残といえるようなお姿に

 

 

とにかく

衝撃を受けたーーー(´;ω;`)ウッ…

 

 

あんなに素敵なご夫婦だったのに

生活も豊かで

センスにあふれた調度品もみな埃まみれ

机の上には

片づけられていない食器やゴミが積まれていて

床も、物であふれかえっている

 

座敷から続く縁側には

古くなった新聞がめちゃくちゃに積まれており

ゴミもいっぱい

 

台所はもっと悲惨

シンクの中もガス台の上も

汚れて、洗えていなさそうな食器類があふれている

シンク内の桶は、虫がわいており

 

恐るおそる冷蔵庫を開けてみると

いつ買ったのかわからないものが無造作につっこまれている感じで

虫がわいていた

すぐに耐え切れず閉めて、冷凍庫内も確認

冷凍庫には何も入っていなくて、ちょっと安心したけど

 

一体、何を毎日食べているんだろうーーー???

 

 

案の定、

私はお土産に持っていった

お饅頭とおかきは

久しぶりにまともな食品を口にいれたかのような

かぶりつくようにして、口に中にいれる状態

美味しい、美味しいと言いながら食べている様子は

更に私の気持ちをげんなりさせた

 

台所に続く洗面所には

洗濯できていない衣類が積み重なっており

おばちゃんは、「ちょっとな、だらしくなってん」

私に言い訳じみた言葉を言った

 

私は昔、訪問介護の仕事をしていたが

こういうお宅に遭遇することが度々あった

まさか、自分の大切な大好きなおばちゃんちが

こんな状態になっていたなんて

もう、情けなくて、情けなくて

なんで、私はもっと早く来なかったんだろうって、泣きたくなった

 

 

 

 

おばちゃんに「座ってーー」と勧められたものの

ものが多く座れるような場所をなくて

座敷に腰をおろしのもためらうぐらいの汚さで

目を瞑って、腰をかけた

 

私が持参したお土産を食べるにも

お茶がなかったので、

外に買いにいこうとすると

「いいよ、いいよ、お茶わかすからね」

少し高い椅子に座っていたおばちゃんは、よいこらしょと腰をあげて

お湯をわかしに・・

 

 

 

えーーーーーっ、待ってーー

そのやかん、

汚れていて、入っている水も濁っているように見えたのを

確認していたので、そのお水は沸かさんとってーーと思ったら

 

おばちゃんも、中を見て

「入れなおすわーーー」といって、水を捨てて入れなおそうとしてくれた

 

【汚い】 という判断はまだできるんだなと思いながらも、

シンクまわり、虫がわいているし、やかん汚かったし、

入れてくれたお茶を飲むのは、とても勇気がいった

 

そして、

あつあっつのあふれんばかりのお茶を

コップにいれて、手渡すおばちゃん

足元はふらふらやし、

おっちゃんの頭の上からさしだすから

もう怖くて怖くて・・・

 

 

 

見た目だけでなく、

さらにショックだったのは

記憶障害・・

 

おっちゃんもおばちゃんも

私が結婚したことを忘れていて

聞かれるたびに、私は結婚したことを伝えると

 

あたかも初めて聞いたかのような

「ええええーーーっ、●●結婚したん??」と反応する

 

おっちゃんは。

「なんで来たん?」と何度も私に尋ねるし・・

 

ずーーっと、

会話はリピート状態

 

 

もうあかんやん

二人とも重症

認知症やん

 

 

私は、おばちゃんに

「ヘルパーさんは頼んでいないの?」と聞いてみた

おばちゃんは

「人に頼ったら、できることも出来なくなってしまうやろ

できることは、やらんと」と、まともな答えが返ってきた

 

おばちゃんはおっちゃんに比べて

記憶障害は軽いようだと判断したが

これは、人として当たり前のことだとしても

認知症になっている人にとっては、この考えは厄介となる

困ったなーーーーと、頭を抱えた

 

 

40分ぐらい居ただろうか・・

私は、二人の姿を見るだけで辛くなる一方

ゴミ屋敷なので、臭いもひどくて

体調も悪くなりそうで

悲しいけど早々にお暇することにした

 

 

おばちゃんは、それでも、

「元気になって、東京にあるお墓参りにいくから

●●に会いに行くから」

元気な声で私を送り出してくれた

 

私は後ろ髪をひかれながらも

今日は帰るしかないと心に言い聞かせた

 

よく、この暑い夏、

熱中症にもならんと生き延びたな~~

 

 

 

玄関を出ると

たまたま前を通り過ぎた方が

おばちゃんに

「久しぶりね、元気~?」と声をかけた

 

(わ、どうも、お知り合いのようだーーー)

 

私はしばらく様子を伺い、その方が

おばちゃんと別れて歩きだされたところで

声をかけさせてもらった

 

その方によると

以前は、ヘルパーさんも来ていたそうだが

断ったようだと情報をもらった

「ボランティアで長い間、頑張ってはったから

市から表彰されたぐらいの人やから

人に頼ることは、難しいかもね・・」と。

今日は、ほんとに久しぶりに顔を見たそうで

それ以外の情報は聞けなかった

 

やっぱりな・・・・

おばちゃんの自立心は半端ないと確信した

 

 

でも、このままではいけない

このご夫婦を救わなければ・・

私なりに恩返しをしていかなければ・・

 

 

 

 

東京に戻って、翌日

奈良の役所に電話して

地域の包括支援センターに連絡をとり

実情を伝えて、対応していただくようにお願いをした

 

その日にうちに

看護師もつれて訪ねてくれたが

玄関までしか入ることが叶わず、

おばちゃんにしか会えなかったそうだ

そして、関係性を築けないと、

なかなか受け入れてもらえそうでない感じだとも・・

 

難しいよね~

すっごくよくわかる

高齢者は、とにかく頑固な方も多いし、

おばちゃんのもともとの性格もある

そのうえ、認知症も発症している

打開策はーーーーーーーー

 

 

それからも、

一週間に2回は訪ねてくださっているとのこと

でも、まだ、家の中にあがれず、

おっちゃんには会えていないそうだ

 

電話をしてきた私に

「もう一人、家にいるんですよね?」と尋ねられたぐらいだ

 

私としては

おっちゃんの方が衰弱していて

心配なんだけど

早く、人の手をーーーーーーお願い!!!!!

 

 

 

来月、大阪に行く予定があります

それで、奈良にも行くことにしました

助けたい一心です

どうか、神様のお導きを

祈ります

 

 

 

老いてくことを考えさせられます

皆さんは、周りにこういうことに遭遇されたことはありませんか?

 

独居やお子さんがいない高齢のご夫婦とか

周りの方が気づかないと

そのまま、誰にも見送られずに亡くなる方もいます

それが、ニュースとして流れていますね

 

ポストに郵便物や新聞がたまっているとか

外からも気づくことが出来ると思います

ま、もともと、知っていないと言い出しづらいかもしれませんが

そういう意味で地域の人々との関係性が問われていますね

 

もし、何か気づいたことがあったら

役所に連絡したり

地域の包括支援センターに相談にいってもらいたいと思います

 

どんな人でも

長い人生、

精いっぱい生きてきたと思います

寂しく終わるような人生にならないようにと

心より願います

 

 

 

長い文章、読んでくださってありがとうございました~

 

久しぶりにコメント欄あけます

よろしければ、コメントもお願いいたします(__)