真緒はそこまで気づいていなかったので、真太郎の目の付け所に驚いた。
「ああ、この人は努力の人だって。ひょっとして真緒と会社を興すことになっても絶対に大丈夫だって思ったんだよね。まあ・・厳しい世界だけど、会社に属すよりも自分たちのやりたいようにやれる。地道にやっていけば一攫千金とかはないかもしれないけど好きに楽しくやっていける。そういう選択もいいかもしれないなって、」
「真太郎、」
真緒は何だか胸がいっぱいになった。
「・・どこまでできるかわかりません。これからもっともっと勉強をしていかなくちゃならないと思ってますので。」
初音は背筋を伸ばした。
「で・・どこに住むの?」
ゆかりが尋ねた。
「・・丹波に。住もうと思って、」
真緒の言葉にみんなハッとした。
「え・・今の初音さんのお家?」
南が聞き返した。
「うん。 宝塚市内まで車で1時間くらいだし。あたしも何か仕事しながら勉強しようと思ってる、」
「でも、」
有希子は心配そうだった。
「お義母さんがとても苦労されたことはわかってます。畑の方は叔母さまたちに任せることになったんですけど。ホント、こう言っちゃなんですけど田舎なんですよね。何もない。東京とは全然違う。でも・・。 今回お手伝いに行って『あ、あたしここに住める』って直感的に思ったんですよね。あたしがホクトの娘とかそんなの全然関係なく接してくれて。過疎化はしてますけど、みんな協力しあって。絆も深くて。何より。星がきれいで、」
真緒はふと微笑んだ。
「・・星がきれいって。子供みたいなこと言って、」
ゆかりは少し諫めた。
「もちろん現実は厳しい。あたしこれまで東京とかロスとかパリにしか住んだことなくて。あんなに何にもないところに住んだことなくて。ひょっとして、また自然災害があったりするかもしれないし。でも。初音さんがいたら大丈夫なんだなって思った。」
真緒は隣の初音を見つめた。
「会社を興す時は・・神戸か大阪か。もう少し都会で、ってことになるかもしれませんが。それまではあの家で暮らしてくれると彼女が言うので。僕の心配も何もかも・・真緒さんが取っ払ってくれました。・・もうそれしかないです、」
初音も真緒を見た。
「わーーーー めっちゃ見つめ合ってる~」
天音が茶化すように言ったのでみんなまた笑ってしまった。
真緒は丹波篠山に住むことを決心していました・・
ちょっとまだ終われません!
明日もつづきます!(^^)/
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