「じゃあ。ぼくはこれで失礼します、」
高宮は夜9時ごろになって席を立った。
「お疲れ様。ハイこれお土産。加瀬が帰ってきたら一緒に食べて。もうめっちゃ新年お客さん来るからさあ。手土産すごいから。」
南に紙袋を手渡された。
「あ、ありがとうございます。」
そして初音と目が合って
「あっと・・。 お先に失礼します。これからも頑張って下さい、」
まだモヤモヤする中挨拶をした。
初音はきちんと立ち上がって頭を下げ
「こちらこそ。どうぞよろしくお願いします、」
と挨拶をした。
・・やっぱり。
似てるよな・・
10年前の記憶が確かなのかと言われたら全く自信がないのだが彼から伝わる雰囲気がやはり気になる。
結局モヤったまま高宮は北都邸を後にした。
「ちょっと。天音くん。もうお開きだよ!」
南がテーブルに突っ伏して寝てしまった天音を揺り動かしたが
「・・もう・・飲まれへん・・」
寝言のように言って動かない。
「おい、天音、」
初音も背中を叩いたが全く起きない。
「もういいじゃない。今日はこっちで寝ちゃいなさいよ。初音くんも、」
ゆかりは笑った。
「全く。羽伸ばしすぎなんだよ・・。ホントすみません!」
初音は申し訳なくて北都会長夫妻に頭を下げた。
「いいのいいの。もう自分の家だと思っちゃっていいから。ホント天音くんも初音くんもいい子で。」
「お義母さんのお気に入りですもんねー、」
南がからかうと
「やっぱり若くてイケメンは嬉しいじゃない~」
悪びれることなく笑った。
「はずかし・・」
真緒は思わず顔をそむけた。
北都はそんな妻を見てニコニコと笑うだけだった。
何とか天音をベッドに寝かせて初音はまたリビングに戻ってきた。
お手伝いさんが後片付けをしていた。
「・・ぼく、やっておきます。あと少しみたいですから。」
と声をかけた。
「え? いえ。お客様にそんな・・」
「お客さんじゃないです。あとこれ片づけてごみを出しておくだけですよね。 やらせてください、」
とニッコリ笑って半ば強引に手伝い始めた。
お手伝いさんを帰した後、初音はキレイになった皿やコップを食器棚に片づけ始めた。
濡れたシンクや蛇口をキレイに拭いた。
そこに
「初音さん?」
真緒がやってきた。
「え、片づけなんかいいのに。あたしも少しやろうと思ってたし、」
「突然来てしまって。ご迷惑おかけしたので。このくらいしかできませんから。」
ふと笑った。
高宮は初音のことが気になりますが・・
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