Betelgeuse(4) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

そう。

 

あのビストロに行かなければ。

 

運命は違っていたのかもしれない・・

 

 

真緒はまた窓の外の夜景を見た。

 

「初音さん、」

 

「ん?」

 

「ボスニア戦争って・・ご存じですか。」

 

いきなりなんの脈絡もないような話題に初音は少し驚いて彼女を見た。

 

 

 

 

北都とゆかりは二人で食事を摂っていた。

 

「真緒は野々村さんと食事してくるって連絡があったわ、」

 

「そうか。」

 

「やっぱり。ショック受けてるわよね・・」

 

ゆかりはふうっと息をついて吉岡の話を思い出していた。

 

 

 

 

その彼と出会ったのは。

 

真緒さんと行った自宅の近所のビストロでした。

 

帰り際に店の裏手で先輩の料理人から酷く怒られて蹴飛ばされている少年・・日本で言うと高校生くらいの。

 

蹴飛ばされた拍子に額を切ってしまったようで血が出ていて。

 

慌てて駆け寄ってハンカチを手渡してその傷を抑えてやりました。

 

 

 

 

「その男の子。 そのビストロで下働きをしていたんですけど。その時・・元の旦那さん、祐介さんと出会ったんです。

赤茶のような銅の色みたいな髪色で。目がブルーとグレーの間くらいで。本当にキレイな顔立ちの男の子でした。それがあたしたちが結婚して2年くらいのことでした。とにかく外交官って忙しくて家にいる方が少なくて。これが結婚生活なのかなってだんだんと疑問がわいてきたころで。・・子供も欲しかったですけど。なんていうか・・彼があまり子供を持つことに積極的ではなくて何となくはぐらかされて。でも・・全然気づかなかったんです。」

 

真緒はオードブルのパテにナイフを入れた。

 

「本当は。 彼は。『女性が好きではない』人だってこと。」

 

 

初音はカチャリとフォークを置いた。

 

 

 

「すごいよね。全然気づかないって。二人の時間が少なすぎて彼が家にいないことが当たり前になってたし。 ただ・・少ないな、とは思うようになった。」

 

ワインが回ってきたのか真緒はそのワードを口にし始めた。

 

「いわゆる。『レス』って言うのかな。いや結婚したの初めてだったし。他の人がどのくらいかわからないんだけど。3か月にいっぺんになり。半年にいっぺんになり。一年にいっぺんあるかどうかになり。夫婦ってそんなもんなのかなって・・こんなこと誰にも聞けないし。」

 

その話には初音の方が料理を食べる動作が止まってしまった。

 

真緒はどんどんワインを飲んだ。

 

「で。結婚して。もうすぐ5年になるってある日。突然・・」

 

 

 

 

別れてほしい。

 

他に一緒に暮らしたい人がいる。

 

 

 

思いもよらない言葉が彼の口から出た。

 

元夫、祐介は同性愛者でした。それに気づかなかった真緒は衝撃の告白を受けます・・

 

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