How to(1) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「・・それは。 現実問題として無理です、」

 

「そうかなあ・・。 ゆうこなら慣れれば、」

 

「そんな簡単なものじゃないです。世の中はすごい勢いで動いています。とてもとても、」

 

リビングから両親のやや深刻な声が聞こえてきて、一緒に階下に降りてきたひなたとななみは顔を見合わせて首を傾げた。

 

「どうしたの?」

 

ドアを開けてひなたが声をかけた。

 

「え? ああ・・。 会社のパパがいる秘書課でな。 同時に二人が産休、育休を取ることになって。 普通の部署なら派遣の人頼んだりすればええんやけど。 秘書課は外部の人間は入れることは難しいから。 社内で調整に入ってるんやけど、どこも人手不足で。 そうしたら社長が。」

 

志藤は娘たちに説明を始めた。

 

 

奥さんは、どうでしょうか。

 

 

真太郎は真剣な顔で志藤にそう言った。

 

一瞬

 

誰の奥さん?

 

とわからなかった。

 

「は?」

 

「ゆうこさんです。 まあ・・10数年のブランクはあるとはいえ。 秘書の仕事は若い子だと覚えるのに時間がかかりますし。 ゆうこさんなら心得もあると思うのですが、」

 

「は・・」

 

思わず口が開きっぱなしになってしまった。

 

「確かに。 ゆうこなら何とかいけそうだよね。 もう凛太郎も3年生でしょ? 仕事、する気ないの?」

 

そこにいた南も言った。

 

「・・仕事は・・。 たまに近所の花屋に頼まれてブーケを作ったりアレンジメントを作ったりしてるけど。 そのくらい、」

 

志藤はここ最近のゆうこのことを思い浮かべた。

 

「ゆうこ、まだ42くらいだっけ? いまうちの社も女子社員で40代の人たくさんいるよ。もちろん子供いる人も。逆に平均年齢高くなってるし。 もう正社員で仕事する気ないの?」

 

志藤は目を閉じてうーーーんと腕組みをして考え込んでしまった。

 

「もう。まだ『おれのために家に居てくれ』って思ってるの?」

 

南はそんな彼の背中を叩いた。

 

「や、別にね。 もう子供らも大きくなったし。実家にも迷惑かけないようになったし。 ゆうこのしたいことは、自由にしてくれてもええんやけど、」

 

正直。

 

ゆうこがこれから正社員として働くというビジョンは全く考えてもいなかった。

 

以前より自分も仕事に余裕ができて、子供たちと一緒に夕飯が採れる時間に帰れるようになり

 

夫婦二人で話ができる時間も増えた。

 

休みの日には二人で買い物に出かけたりもする。

 

彼女はずっと外で仕事をするより家の仕事をする方が楽しい、と思い込んでいたのではないか?

 

志藤はそんな風に思ってしまった。

 

「ま。ゆうこがここを辞めたいきさつ考えると。なかなか複雑やと思うけど。でも当時とはもう人も違うし、社風も変わった。考えてもええんやないかな、」

 

南のひとことに少しだけ心が動いた。

 

人手不足の秘書課になんとゆうこの名前が挙がりますが・・

 

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