Autumn shower(18) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「あんた、あたしに純太さんに似てるって言ってもらいたがためにはるばるボストンから帰ってきたと?? なーに甘えたこと言うてる! あたしは! この子が瑠依くんみたいに育ってほしいって・・心から思ってるのに!」

 

さくらはだんだん興奮して博多弁が出てきた。

 

瑠依は彼女の迫力に押されて、言葉が出ない。

 

「100万人があんたと純太さんが似てるって言うても! エラい先生とかが似てるって言うても! あたしは絶対認めんけん! 瑠依だって・・あたし、家族やって思ってるんだから!」

 

さくらはグスっと鼻をすすった。

 

「さくらちゃん・・」

 

興奮したせいか、なかなかおなかの張りが収まらなかった。

 

「・・いてて・・」

 

思わずお腹を押さえた。

 

「ど、どうしたの? 大丈夫?」

 

瑠依は慌てて立ち上がった。

 

「や・・ただ張ってるだけやから・・」

 

そう言ったものの、さっきから張ってくる頻度が増していた。

 

「・・あいたた・・」

 

何だか腰もいたくなってきた。

 

「ちょ、ちょっと! だいじょぶなのかよ。 病院に・・連絡してみたら?」

 

瑠依はさくらに歩み寄った。

 

「大丈夫だよ・・まだ予定日まで半月もあるってのに・・」

 

そう言われたものの、何だか普通じゃないようで

 

「なんだよ! その謎の自信は! いいから早く電話しろよ!」

 

瑠依は苛立った。

 

 

「は・・? いまから、ですか?」

 

さくらは仕方なく病院に電話をした。

 

お腹が数分おきに張っていることを告げたところ、すぐに入院の支度をしてくるようにと言われた。

 

「え? これって。 陣痛なんですか? は? とりあえず・・行くんですか? あ・・はい・・わかりました、」

 

電話を切ると

 

「だから言ったじゃん! タクシー呼ばなくちゃ・・。 入院の支度は、」

 

瑠依が怖い顔をして、そらみたことか、という表情だった。

 

「・・なんもしとらん・・」

 

さくらはさーっと血の気が引いた。

 

「ハア?」

 

「いたたた・・」

 

そうこうしているうちにまたおなかが張って来た。

 

「ヤバ・・。 ね、納戸にちっさいスーツケースあるから、持ってきて! 早く!」

 

さくらはそう言って立ち上がった。

 

「なんなんだよ、もーーー、」

 

瑠依は慌てた。

 

 

もう支度と言えるのかどうかもわからない感じで、適当に詰め込んで瑠依に手伝ってもらいタクシーに乗り込んだ。

 

「いたた・・。 え? これほんとに陣痛なのかな・・」

 

「この期に及んで何言ってんだよ!」

 

「だって産んだことないんだもん、わかるわけないじゃん! こんなに早く生まれてだいじょぶなの?」

 

「おれに聞くなよ! あ、父さんに連絡しなくちゃ・・」

 

瑠依がスマホを取り出すと

 

「ちょっと待って! 何でもないかもしれん。 心配させちゃいけないから、連絡はしないで。 慌てて帰って来てしまうかもしれんし、」

 

さくらはそれを止めた。

 


興奮のせいか一気に産気づくさくら。一転慌ただしくなります!

 

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