Autumn shower(1) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「ええっと。 もうめんどくさいからコレ1ケース買っちゃおうかな、」

 

さくらは陳列棚を見て言った。

 

すると

 

「いや。 新生児サイズのオムツって使える期間すごく短いんですよ。赤ちゃんはけっこうすぐに大きくなりますからね、」

 

隣にいた葦切はそれを制した。

 

「え? そうなんですか?」

 

「オムツを買ってたころはもう20年以上前ですが。 買い物もぼくが担当していたので・・」

 

 

待望の赤ちゃんが生まれるまであとひと月ほどになった。

 

産休で仕事を休んでいるさくらは、大きなおなかを抱えて夫の葦切耕平と赤ちゃんのものを買い物に来ていた。

 

葦切は『経験者』だけあって赤ん坊のものひとつとっても異常に詳しく、

 

一緒に来てもらってよかった・・

 

とさくらは心から思っていた。

 

「哺乳瓶は・・とりあえず大きいのと小さいの2本ずつでいいでしょう。 母乳の出を見て・・。 足りなかったらぼくがまた買って来ます。」

 

「ハア、」

 

「ベビー服も。 おしゃれなものよりも脱ぎ着が簡単で、とにかく赤ちゃんは吐き戻しをしたり汗をかいたりで着替えが頻繁なので。」

 

「え、これとかかわいくないですか~?」

 

さくらが服を手に取ると

 

「オールインワンではなく。 上下分かれているもので。 オムツから漏れたりもあるしそのたびに全部取り換えるのも大変ですから。」

 

また制された。

 

「ベビーベッドとバスはレンタルで。 ラックなんかは少し大きくなってから買いましょう。 こんなものかな・・」

 

葦切はメモを手にした。

 

「・・さすが。 経験者ですね・・」

 

思わずそう言うと

 

「え? あ・・いや。 もうホントに・・瑠依の時はわからないことだらけで失敗もたくさんしたので。 ぼくも祐美さんもほんとわけわからないまんまだったし・・」

 

葦切は少し気まずそうに頭を掻いた。

 

「あたし一人で買い物に来たら無駄なもの買うだけだったかも・・。 ほんと。 未知の世界・・」

 

そんなさくらにふっと微笑んで

 

「まあ。 慣れです。 ホント。 ・・疲れたでしょう。 少しお茶でも飲んで行きましょう、」

 

優しく彼女の背に手をやった。

 

 

 

「で。 お義母さんの話は・・どうなったんですか?」

 

葦切はコーヒーにミルクを入れてかきまわした。

 

「ああ・・。 なんか。 手伝いに来るって言ってくれてるんですけど。 あの人も暇じゃないし。 無理して来なくていいよって言ってあるんです、」

 

さくらはチーズケーキに手を付けた。

 

「うーん・・。 できれば。 お義母さんは大変でしょうが。 来てもらった方がいいんじゃないですか、」

 

葦切は少し不安そうに言った。

 

さて。いよいよさくらの出産が近づいて参りました・・

 

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