Half bloom(18) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「けっ・・・」

 

冴子はそこでそばをすするのが止まった。

 

「け・・で止めるなよ・・」

 

成はそばをすすった。

 

「え! だれと? ナル、今付き合ってる人いないって言ってたじゃん・・」

 

目を見開かれて

 

「急に。 結婚したい人が。 現れて・・」

 

気まずそうに視線を落とした。

 

「どういう人?」

 

そう聞かれてしばらく黙った後

 

「片桐。 片桐 柚さんです、」

 

静かにそう語った。

 

 

 

 

「あ。 冴子さん。 先ほど遊川商事さんの並木さんからお電話ありました。 社長さんの個人の不動産取引のことでお聞きしたいことがあるとのことで、」

 

昼休みを終えて事務所に戻ると、いきなり柚からメモを手渡され

 

「え! あ・・うん、ありがと。」

 

動揺を抑えながらそれを受け取った。

 

そして彼女をジッと見てしまった。

 

「・・なにか、」

 

違和感を感じてそう言われ

 

「ううん。 なんでもない。 か、片桐さん・・字がきれいよね。」

 

「いいえ。 普通です、」

 

笑顔でそう切り替えされ彼女は席に戻った。

 

 

 

片桐 柚さんと結婚したい。

 

 

突然の成からの告白に

 

あのあと蕎麦が喉を通っていかなかった。

 

それはあまりに意外な人物であったこと、いやそれよりも

 

もう37になるというのに

 

結婚

 

という言葉をこれまで全く彼から仄めかされたことがなかった。

 

それが

 

いきなり。

 

 

「もちろん彼女の病気のことは知ってる。 全部わかったうえで・・結婚したいって思った。 彼女、病気で前に結婚が破談になったことがあるんだよ。 そのことで彼女もお父さんもすごく傷ついてるみたいなんだ。 昨日は偶然にお父さんに会っちゃって、おれがたぶん何言っても全然聞き入れてくれない雰囲気だったから、とりあえず帰ったけど、」

 

成はそばを食べながらベラベラと経過を説明するという器用なことをし始めた。

 

ずっと黙っている冴子に

 

「え、反対?」

 

心配になって聞いてしまった。

 

「や。 あたしだって・・片桐さんはとてもいいお嬢さんだと思ってる。 さっき彼女から左乳房の再建手術を受けることになったって報告受けて・・。 こういうことは男性には言いずらいじゃない? あたしから涼成さんには言おうと思ってたんだけど、」

 

まだ動揺が止まらない。

 

「そっかあ・・」

 

その時

 

「ああ、そうか。 片桐さん・・ナルとのことがあって手術する気持ちになったんだ、」

 

冴子はふと気づいた。

 

「それはわからない。 彼女が手術を受けようと決めたからおれとのことを考えてくれたのかもしれないし。」

 

成はすごい速さで先にソバを食べ終わってしまった。

 

母・冴子は成が結婚したいという相手を聞いて驚きます・・

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