Believe in yourself(4) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「・・何の騒ぎ・・?」

 

そこに綾が寝起きでやって来た。

 

「あ、先生。 あの、ホクトエンターテイメントの方と、篠宮さんって先生が・・」

 

「え~? もうなに? こんな朝っぱらから・・」

 

綾は文句を言いながら、スタッフから受話器を奪い取るように出て

 

「篠宮先生? なんなのこんなに朝早くから、」

 

不満そうに言った。

 

「せ、先生ですか? あのっ! 奏は!」

 

さくらは慌てて言った。

 

「だいじょうぶよ。ちゃんとごはんはあげてます、」

 

面倒くさそうにそう言われて

 

「あげてますって・・。 イヌネコじゃないんですから・・」

 

さくらは思わずつっこんでしまった。

 

「会わせてもらえませんか?」

 

言いたいことはたくさんあったけれど、とりあえずそれだけ伝えた。

 

「え? まだ寝てるわよ。」

 

「そこを、なんとか。 ・・そちらにおじゃまさせてもらえませんか?」

 

「えー? 嫌よ。 私、まだスッピンなんだから!」

 

思いっきり言われて、

 

「や・・あたしだけでも! なんとか、」

 

「ああ。 彼。 1週間くらい預かってもいいかしら、」

 

綾はいきなりそう切り出した。

 

「は?」

 

「どうせ学校も休みなんでしょ? ま、学校あったとしても別にどうでもいいんだけど。 私もまた1週間後からジュネーブに行くことになっているのよ。 そうしたらまた1週間くらい帰ってこれないから。 時間ないし、」

 

彼女の言い分をペラペラと淀みなく言われた。

 

「や、そ、それは!」

 

さくらは反論しようとしたが

 

「取って食いやしないわよ! じゃ、」

 

無情にもインターホンを切られた。

 

「ちょっと! 先生!!」

 

縋ったけれど、その後応答することはなかった。

 

 

「・・なにコレ・・」

 

さくらは動揺丸出しの顔で志藤と葦切に振り返った。

 

二人もうーんと考え込んで固まってしまった。

 

「ほ、ほんとに取って食われてないよね・・」

 

「や・・それはないと思うけども、」

 

さすがに志藤も不安になってきた。

 

「なんなのよ! もう! 奏に何してくれてんのよ!」

 

さくらは思わず奥歯をギシギシ言わせたが、慌てて葦切が彼女の口を押えて

 

「たくさんカメラがありますから!」

 

門の上部に何台もセキュリティカメラがあるのを指差して言った。

 

 

相変わらず奏の携帯も律の携帯も繋がらなかった。

 

帰りの車の中でもさくらは怖い顔をしてずっと無言だった。

 

「・・まあ・・1週間だけって言うし。 彼女も一応世界に名だたる演奏家やし・・」

 

志藤がなんとか彼女の怒りを鎮めようとすると

 

「・・だいたい。 ホクトが会社の都合を奏に押し付けたからこんなことになったんじゃない!」

 

さくらはいきなり志藤に不満をぶつけた。

 

「あ?」

 

「自分たちの仕事がうまくいくように! 奏を人質に出したようなもんよ!」

 

言いたいことを絶対に腹に貯めておけないさくらの怒りが爆発した。

 

相変わらずの神宮寺綾にさくらは志藤に八つ当たりを始めて・・

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