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My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「ねえ。 ほんと。 いいんだよ? もう慣れたし。」

 

ひなたは電車のつり革に掴まりながら隣の佑真に言った。

 

「別に。 暇だし。」

 

佑真は涼しい顔で振り向きもせず言った。

 

 

ひなたが再び膝の手術をしてから1か月半。

 

朝は父に車で学校に送ってもらい、帰りは時間が合う時は佑真が浅草駅まで送ってくれる。

 

それがなんだか申し訳なかった。

 

 

佑真が同じチア部の茉依と別れた理由。

 

茉依の話からすると自分が原因で。

 

佑真から直接聞いたわけじゃないけど、それもなんだか申し訳なかった。

 

それどころか。

 

 

「・・佑真とカナが、あたしの知らないところでつながってるとか。 おかしくない?」

 

そこなのだった。

 

2度目のケガをしたとき、コンクールを翌日に控えた奏にそのことを告げるかどうか迷っている間に

 

それを知らない佑真が奏に連絡をした。

 

「ま。 コンクールの前日とは知らんかったとはいえ。 おれも余計な事したかなあって思ったけど、」

 

「いや、そこじゃなくてさ。」

 

そのあと、手術したりでそのことについてはうやむやになってしまった。

 

 

「それが原因じゃないから気にするなって言ってくれて。 ほんとあいつ、いいやつだよなーーー」

 

逆に感心してるって。

 

「カナがボランティアで行ってたホームに偶然佑真のおばあちゃんがいたって・・聞いたけど。」

 

「うん。 もうさ、おばあちゃんたちにすげえ人気なの。 みんなツーショット撮りたくて待っちゃってさ、」

 

アハハと笑われた。

 

うん、そこでもないんだけどね。

 

ナゾなのはなぜ二人が友情を深めているか、なのだが。

 

「おれピアノやってるヤツと一生交わることないって思ってたんだよねー。 見た目も王子だし、ウチの母ちゃんなんか高遠が来るとあからさまにテンション上がってんの!」

 

「よく連絡取り合ってんの?」

 

「けっこう。 この前のコンクールの優勝のあともその晩すぐにLINEくれたよ。 ゲームのこととか結構趣味合うんだよねー。 いろんなこと知ってるし、今までおれの友達にいなかったタイプ。」

 

「ふうううん、」

 

もうそれしか言えなかった。

 

「別にひなたに内緒にしようと思ってたわけでもなくて。 なんとなく言う機会を逸したっていうか。 そんだけ。 一回、ウチの店にあいつの先生と先生の・・彼氏みたいな人と一緒に来てくれて。」

 

「は・・ さくら先生と葦切さんも?」

 

「それからホクトの人たちもたまに来てくれるようになったんだー。 いいお客さん紹介してくれて、ウチの親も喜んでた。」

 

「へえええ。」

 

 

佑真が自分のことが好きだとか。

 

正直もうどうでもいいのではないか、という気もしてきた。

 

 

「佑真さあ・・。 彼女作ってもいいんだよ?」

 

そう言ってみたら

 

「は? なんでおまえにソレ言われないといけないの? おれの勝手だし。 おまえに上から言われることでもねえし。」

 

逆にキレられるという理不尽さだった。

 

 

ひなたは2度目の手術の後なんとか学校に通っていますが・・

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