Twinkle little star(1) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

奏は日本最高峰のジャパンピアノコンクールの本選に進み、レッスンの真っ最中です。

 

順調に来ていましたが…

 

そして、ひなたは。

 

というところからお話はスタートです。

 

 

 

 

 

 

あっ・・・

 

なんの前触れもなく

 

奏の手が止まってしまった。

 

 

さくらはハッとした。

 

「・・すみません、」

 

奏は小さな声でやや呆然として言った。

 

「どうした?」

 

さくらが彼の顔を覗き込む。

 

「いえ、何も、」

 

ここのところこういう感じが続いていて

 

さくらは気になっていた。

 

 

ジャパンピアノコンクール、本選まであと3日。

 

詰めれば詰めるほど

 

奏のピアノの音が行き詰まっていくようだった。

 

コンクールでのピアコンの経験のない奏は

 

オケ部分だけを録音したCDや映像メディアを志藤からもらっているので、それをもとに練習を重ねていた。

 

「考えすぎじゃない? 奏の力ならオケに乗って行けば大丈夫だと思う。 前日にはオケ練習もできるし。」

 

さくらの言葉にも

 

「・・すごくオケの音が聴こえる時と、全然ダメな時があって・・」

 

奏は不安そうに手をさすった。

 

 

ファイナリストの他の5人はみな20歳以上で、コンクールでのピアコン経験があった。

 

技術的には負けない、とわかっていても

 

やはりまだ15歳の奏は不安が先に立ってしまう。

 

 

「誰だってね。 『はじめて』はあるんだよ。 結果を考えるより、今できることを考えた方がいい。」

 

さくらは奏の背中をぽんと叩いた。

 

「はい、」

 

さくらとコンクールに挑戦して行って、ここまで本当に順調だった。

 

シニアでの優勝経験はないものの

 

きっちり結果は残してきた。

 

それでも。

 

 

 

「なんだろ、スランプとかなのかな・・」

 

さくらは心配になって志藤に電話をしてしまった。

 

「あいつも何でも難しく考えるタチやから。 もう当たって砕けろでやればええねん。 焦らずに、」

 

「あたしもそう思うんだけど。 奏自身が誰より結果を残したがっているっていうか。」

 

「ジャパコンは正直まだ早いかと思ったけど、経験するのに越したことはないし、奏が今どの辺の位置にいるかということもわかるから挑戦させた。 コレ終わったらジュニアの方も出て、ひとつふたつ大きいタイトルを獲らせるようにしていくから。 おれからも肩の力を抜くように言っておくから、」

 

「・・はい、」

 

さくらはひとつ息をついた。

 

 

家に戻ってひとり籠って練習していても、ふっと止まってしまう。

 

奏は思わず宙を見やった。

 

そこに携帯が鳴る。

 

志藤からだった。

 

「・・すみません。 心配を掛けて。 大丈夫です、」

 

「自分の力が今日本の中でどのくらいかって知るためのコンクールやからな。 全国模試と一緒や。 ここで出た結果をもとにこれからどうするか考えるんやから、」

 

「はい、」

 

「少し。 根詰めすぎちゃう? パーっと遊んだら?」

 

志藤は笑った。

 

「いや、急にパーっとは・・」

 

「それも。 大事やで、」

 

電話の向こうの志藤の声は優しかった。

 

ジャパコン本選前、奏はプレッシャーを感じ始めたのか絶不調で・・

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