Blue Moon(1) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

奏が夏休みにウィーンに短期留学へ行っている最中からお話は始まります。

 

さくらの誕生日に恋人の葦切とラブラブディナー、というところです。

 

30代後半と40代半ばの二人のややもどかしいラブストーリーとなっております。

 

今回は『タイトル』もお話に繋がってます。

 

では、今日からよろしくお願いします。☺

 

 

 

 

 

話は1か月ほど前に遡る。

 

 

「わあ…、きれい、」

 

さくらは葦切から渡された花束を見て、思わず声を上げた。

 

「すみません。 何をプレゼントしようか迷ったのですが。 ぼくはアクセサリーやファッションのことに関してはからきしなので。 やっぱりお花になってしまって、」

 

葦切は少し照れくさそうにうつむいた。

 

「いえ。 なんて綺麗な…。 この紫色のバラは、なんていうんですか?」

 

「ブルームーン、といいます。 ラベンダー色とその華やかさが特徴で。 なんか、さくらさんみたいだなって、」

 

花が好きな彼らしいバラを主体とした大きな花束だった。

 

「いや、あたし。 こんなにキレイじゃないですよ、」

 

さくらは笑った。

 

「いえ! そんなこと・・ないです。 本当に、いつもきれいで、」

 

葦切は思わず声を張ってしまい、自分の言ったことにまた赤面してしまった。

 

「そんなこと。 言ってくれるの。 耕平さんだけですから。」

 

さくらは37歳の誕生日を迎えた。

 

誕生日の1週間ほどあと、葦切がこじんまりとしているけれど、静かで温かい雰囲気のレストランを予約してくれた。

 

葦切は彼女へのプレゼントがどうしても思い付かず、花束にしてしまったけれど、やはり気の利いたアクセサリーやバッグなどをプレゼントできない自分に少し後悔していた。

 

「またひとつ。 年を取っちゃったか・・」

 

さくらはため息をついた。

 

「年はみんな取ります。 さくらさんだけじゃないですよ、」

 

葦切は笑った。

 

レストランにピアノが置いてあり、柔らかなBGMとなって空気を包んでくれた。

 

「…ブラームスの愛のワルツ。 静かでいいですね、」

 

さくらはやはりその音に反応した。

 

「奏くんがウイーンから帰ってきたらまた忙しくなりますね、」

 

「楽しくやってるみたいですよ。 いろんなもの、見て、聴いて。 たくさんのことを吸収してきて欲しいです。 今まで狭い水槽の中しかしらなかった赤ちゃんの魚がいきなり大海に出て行って。 心配じゃないわけじゃないですけど。 これからも世界を見てもらいたいです、」

 

少しずつ奏が手から離れていくことを淋しく思いながらも、さくらは嬉しそうにそう言った。

 

「仕事、忙しくなったみたいですね。」

 

葦切はワインを少し飲んだ。

 

「奏がコンクールでいい成績を獲ってくれたおかげで、生徒が少し増えました。 さよちゃんが子供たちのレッスンをやってくれることになりましたけど・・彼女に経理のことや雑用も頼んでしまっているので、私よりさよちゃんの方が心配です。 あんまり身体も丈夫じゃないので、」

 

「そうですか。 人を増やすことは考えてるんですか?」

 

「ええ。 志藤さんや藤堂さんにもお願いしてるんですけど…。 経理もできて、できればピアノレッスンもできて、営業もできる人がいいなあって言ったら、志藤さんに『そんなヤツおるか!』ってつっこまれました、」

 

BGMのピアノ演奏の曲がバッハの『G線上のアリア』にかわった。

 

相変わらずラブラブのさくらと葦切。

さくらの誕生日のお祝いで二人で食事に来たレストランから今回のお話はスタートです…

 

 

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