Long way to go(10) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「悔しい?」

 

さくらは彼女の顔を覗き込んだ。

 

「あたしが。 こんななのに。 カナは大富豪のパーティーでピアノ弾いて。 拍手いっぱいもらって。 惨めすぎるじゃん、」

 

ひなたは口をとがらせた。

 

さくらはクスっと笑って

 

「あんた。 正直なんだね。」

 

とひなたの頭を撫でた。

 

「パパからも。 おまえ、ほんまにわがままやな!って。 ちっちゃいころから言われてた。  あたしの代わりにサポートメンバーに入った子が本選にレギュラーで出るとか言われちゃったし。 なんだかんだ言ってカナがうまくいってるのも、どこかでおもしろくないって思ってる。」

 

「セーカク悪いけど。 素直だね。 でも、そんなの当然だよ。」

 

「え、」

 

「人間だもん。 妬んだりなんか当たり前。 ただ人を妬んでるだけじゃあ、自分の進歩はないけどね。」

 

さくらは頬杖をついてふと笑った。

 

「進歩、」

 

「なんであたしばっかり!とか考えてる時って、自分は立ち止ってるか後戻りしてる時なのよ。 絶対に前に進んでないのね。 よくよく考えたらもったいないかなって。 人のことをうらやましがったり妬んだりしてるよりも自分を頑張らせる方がどれだけ特か。 ちゃんとリハビリすれば、元通りになるんでしょ? 全然未来あるじゃない。 チャンスなんかね、やることやってればいつでも向こうからやってくるものよ。 常にそれを逃さずに手に入れようって欲張ってればね。 大丈夫。」

 

さくらの言葉のひとつひとつがスカスカの心に染みわたった。

 

「先生、」

 

「で。 めんどくさくなったらさ。 別れちゃえばいいんだから。 簡単簡単、」

 

それにはややコケながら

 

「めっちゃいいこと言うーって思ったのに。 ・・別に別れるとか言ってませんから。 いや、あたしが別れたいっていっても。 カナが絶対にヤダって言うから! ホントに!」

 

最後はいつものひなたに戻っていた。

 

「あー、バカだねえ、ほんっと。 バカだ、」

 

さくらはおかしそうに笑った。

 

 

 

どうしよう

 

来てしまった・・

 

佑真は志藤家のインターホンのボタンを押そうか押すまいか、やや迷っていた。

 

いや

 

ここまで来たんだから。

 

思い切って押そうとした時

 

「どちらさん?」

 

後ろから声がして振り返った。

 

「なんか。 ウチに用?」

 

志藤が訝しげに佑真の顔を覗き込む。

 

「あっ!と。 ・・お父さん、」

 

「お父さん??」

 

ジーッと顔を近づけてきて思わず佑真はのけぞった。

 

「ああ・・。 そういや、この前。 ひなたの見舞いに来てたな。 ・・なんか用?」

 

相変わらずそっけない態度に

 

「あのっ。 ひなた…ちゃんに、渡したいものが、」

 

緊張しながら言った。

 

「ハア??」

 

まるで敵意むき出しにそう言われ

 

「んじゃ。 渡しといたるわ、」

 

そして手を出された。

 

「えっ・・」

 

佑真はこの展開に固まった。

 

焦るひなたをさくらは励まします。そして佑真が志藤家にやってきましたが…

 

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