Began at the time(1) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

志藤幸太郎。


クラシック事業本部の本部長になって3年目。



1年目はもうスポンサー探しに奔走して終わってしまった。


2年目は定期公演を年に4回開催を目指し、その合間に室内楽のユニットを組ませてのミニコンサートも開き。


社外アドバイザーの沢藤絵梨沙の母・真理子の協力もあり


どうにかこうにか軌道に乗りつつあった。



この2年はもう休みもあるんだかないんだか


いつが今日でいつが明日なんだかもよくわからないうちに時間が過ぎて行った。



片腕とも言える社長のジュニアのヨメ北都南、チャラいけど営業は抜群にできる泉川貴彦、真面目でよく働きオケのサポートもしてくれる玉田康介、そして芸能部でキャリアを積んだ姐さん的存在の佐屋香織。


志藤も管理職なんて名前に甘えていられず、事務処理も営業もオケのフォローも何でもやる。




「ね~~、かおりん。 この舞台の概要どう思う? ちょっと地味じゃない?」


「そうだねえ・・・。 最近、高琳堂の原口さん、地味め傾向だよねー。 最近彼女に振られたとか言って、サゲになっちゃってんじゃないの? キャバクラでも連れてってパーっと盛り上げてあげよっか。」


「ハハ・・そういう問題?」



志藤よりもひとつ年上の34歳独身の香織は


豪快な性格で南とも非常に気があって



何があってもドンと来い!的な雰囲気のある


まさに



アネゴ



だった。





「そーいえば、お父さんの腰の具合どうなん? もう起きれるようになったの?」


南はその流れで香織とランチを取りに行った。


「ああ、もう死にそうな声出してるからさあ。 でもよくよく聞いたらただのぎっくり腰だっていうし。 ほんっとオーバーなんだから、」


香織は笑った。



「でも、かおりんとこ父一人娘一人やし。 心細くて会いたくなっっちゃうんとちゃうの?」


「そんな~。 30過ぎた娘に何言ってんのよ。 だっておんなじ敷地内に伯父さんとこの家族もみんないるし。 おじさんとこの孫がやんちゃで困るとか言って内心楽しそうだし。」


「かおりん、あんまり実家に帰ってあげないから・・・」


「けっこう高崎って中途半端なのよね。 いつでも帰れる感じもするし、にしては遠い感じもするし。 おじさんからもたまには帰れって言われるんだけど、」


香織は小さなため息をついて珈琲にミルクだけを淹れてスプーンでかき混ぜた。



「親孝行したい時親はナシってほんまやん。 あたし絶対今でもお母ちゃんに恨まれてるって思うし。 もっと大事にしてやればよかったって。 後悔ばっかり。」


「まあ・・・孫の顔も見せてやれてないしねー。 やっぱり親不孝だよね、」


「かおりん、ずうっとつきあってるカレシ、おるんやろ? 結婚とかないの?」


「え? ああ・・・・別れちゃった。」


香織はそうあっさり言って笑った。



「え! 確か5年近くつきあってたって・・・言ってたよね?」



「うん。 小さい劇団の役者でさあ。 ヒモってわけでもないんだけど、衣食住は世話してやったりして・・・・。 って、それって立派なヒモか?」


香織は自虐ギャクをノリツッコミで言って笑わせた。



「でもさ、なんで今さら別れたの? 結婚の話とかはなかったの?」


南はひとしきり笑ったあと真面目になって訊いてみた。


「うーん・・・。 なんだろ。 やっぱそーゆーのってタイミング逃すとなかなかねー。 あとは『縁』ってヤツじゃない? あたしも事業部の仕事が忙しかったし、彼にもかまえなくなってきたし。 いっそのこと別れようって。 ヤツ、あたしの部屋に転がり込んでたからさあ、追い出すのも忍びなかったんだけど。 しょうがないから安いアパートの敷金と1か月分の家賃だけ出してやってさ。」



「やっぱ貢いでるやん、」



「最後くらい情けかけてあげなくちゃ。 あとは自分で頑張りなって。」



香織はいつものように軽く笑った。



さてpart10、スタートです。


事業部発足からのメンバーの香織姐さんは、南も頼りにするお人です。


彼女も適齢期を少し過ぎたかな? という年ですが…



それでは今日からよろしくお願いします。(^O^)




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