Overflow(5) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

拓馬は


そのまま言葉を発することも


身体を動かすこともできなくなってしまった。



詩織は手で涙をそっと拭ったあと



「・・・私の気持ちの、全てです。 お返事を、お待ちしています。」



いつものように礼儀正しくスッとお辞儀をして


その場を去ってしまった。



声をかけたいのに



だけど



もういろんなことでパニックになってしまって


どうすることもできなかった。




父が


自分のために詩織に土下座をしてまで結婚を願ったなんて。




拓馬はガラスに映るクリスマスイヴの街のきらめきが


だんだんと滲んでゆくのがわかった。



掌でどうすることもできない思いをぶつけるようにガラスを叩いた。




ひとりになりたくなくて


そのままいつまでも賑わう街をぶらぶらした。



ツリーのイルミネーションが心に染みる。



ジャケットのポケットに手を突っ込んで


気がつけば何時間もその灯火が消えるまで見てしまった。





「なによ、バカに早いじゃない、」


実家に寄ったのが朝の5時半だった。


母はいつも早起きでこの時間には起きていることはわかっていた。



結局、徹夜で街をぶらついて朝帰りしてしまった。



「なんかボサボサの頭しちゃって。 まさか朝帰り?」


鋭い母に指摘されてしまった。


「にしちゃあ・・・。 飲んでるわけでもなさそうだし、」



彼の顔を覗き込んだ。



「・・・おれ。 ほんっと・・バカだな。」



拓馬はそう言ったあと、いきなり泣き出してしまった。



「・・どうしたの、」



母は驚いて彼の横に座った。



「・・おれは。 今までどんだけオヤジやオフクロに迷惑かけてきたんだろうか。 何も望まずに・・おれたちのことだけを考えて・・・一生懸命・・ここまでしてくれて、」



「拓馬・・・・」



「なんで・・・もうちょっとしか・・時間がねえんだ。  なんで、もっともっと・・時間がねえんだ!」



卓袱台に突っ伏して悔しそうに拳で叩いた。



たくさんのことを夜通し考え続けた拓馬。 もう父の想いに涙をするばかりで・・・o(TωT )



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