Let me have a dream(8) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

そうは言っても。


詩織は拓馬のことを母や祖母には言えなかった。


やはり交際を反対されるのではないか、と不安が先に立った。




「・・拓馬くんはどうして来なくなっちゃったのかしらねえ、 棟梁さんに訊いても、何も言ってくれないの。」


祖母が少し寂しそうにつぶやいた。


お茶を淹れてきた詩織はいたたまれない気持ちだった。




彼のお父さまにあんなことを言っておきながら


お母さまやおばあちゃまに彼とのおつきあいを内緒にするなんて


やっぱりずるい。




「・・私、母と祖母に拓馬さんのことを話します・・」


その晩の電話で詩織は言った。


「え・・・」


「隠し立てするようなことではないです。 私は堂々と拓馬さんとお付き合いをしたいんです、」


「いや・・・。 それは、」


拓馬もやはり彼女の母や祖母には知られたくなかった。


絶対に反対をされるし、そこでもう終わってしまうんじゃないかと怖かった。



「・・・まだ・・・言わないで欲しい。」


「拓馬さん・・・」


「・・・終わっちゃいそうで、怖いんだ。 終わらせたくないんだ、」



情けないけれど


まだまだ自分は彼女の家族に堂々と交際を申し込める自信なんかなかった。


いや


自分がどうなろうと


彼女とのつきあいを認めてもらうことなんかできっこない。



「・・・会いたい・・・」



詩織は思わず口にした。


彼が仕事に来なくなって3日。


こんなにも彼に会いたい自分に気づいた。




「・・・今から。 行くよ。」



彼女からそんな風に言われて拓馬の心に火がつかないわけがなかった。



50ccのバイクで彼女の家の前まで来てしまった。


もう11時を回っていて、祖母も母も就寝してしまったことを確かめて、詩織はそっと家の外に出た。



「・・拓馬さん・・・」


家の前で待っていてくれた彼に駆け寄った。



拓馬は彼女の手を取ったあと、そっと引き寄せた。


本当に自然に彼女を抱きしめた。



男性とのこうした交際が今までなかった詩織は


もう胸が破裂しそうに高鳴った。



ああ


男の人を好きになるってこういうことなんだ・・・



百の言葉よりも


千の言葉よりも



安心できる術なのだ。






実は


拓馬もものすごくドキドキしていた。


つきあうことになったものの


彼女の身体に触れることさえ罪な気がして。


それでも想像したとおり、彼女は抱きしめたら壊れてしまいそうに華奢だった。


鼻をくすぐるいい香りにもときめいた。



そっと彼女を自分の身体から少しだけ遠ざけて


唇を寄せた。



彼女の唇はあたたかくて


柔らかくて。


ほんの少しだけ唇を重ねただけで拓馬はすぐに彼女から離れた。


そしてまた抱きしめた。


先のことなんか何も考えたくない。



この瞬間が幸せだった。



『許されない恋』に二人は燃え上がります・・・





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