Dear(1) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「あ、たーくん!」


ななみは白川家の居間で本を読んでいたが、外から戻った拓馬に気づいて嬉しそうに立ち上がった。


「おう。 ななみ。 なんか背え伸びたなあ。」


拓馬も嬉しそうにななみの頭を撫でた。


「でも、まだクラスで一番チビなの・・・。 このまえもよその人に『小学校3年生?』とか言われて・・・。 もうすぐ6年生なのに、」


ななみはちょっと膨れた。


「女の子はちっこいのがカワイイって。」


「え~? そうかな~・・・。」


「そうそう。 おれはちっちゃいななみが好きだから、」


拓馬の笑顔にななみの表情は花が咲いたように明るくなった。



「今日は? こんな時間にどうしたの?」


拓馬は時計を見て言った。


もう夕方の6時を指している。



「塾から帰って来たの。 このまえおばあちゃんちにカーデガンを忘れちゃったから取りに寄ったの、」


「塾? ななみ、塾なんかに行ってるの?」


そこに母がやって来た。


「ななみはさあ、学校も休みがちでしょう? 近所に個人塾があるからってこの前から通うことにしたんだって、」


「あー、そうなんだ・・。 でも、塾なんか行ったらまた遅くなったりするだろ? 大丈夫なのか?」


「うん。 ここのところあんまり発作も起きなくなったから、」


ななみは屈託なく笑った。



志藤家の次女・ななみは生まれた時から喘息で身体も弱く


学校も休みがちだった。


1年に1度は激しい発作で入院をしたりして


今もみんなを心配させていた。



「でもね。 ななみはすっごくデキがいいんですって! その塾の先生もびっくりしててね。 私立中学を受験してみたらって言ってくれて、」


母は自分の娘でもあるまいにやや自慢げにそう言った。



「へ~~~、すげえじゃん。」



そこに長男・和馬の妻である優花子が拓馬にお茶を持ってきた。



「でも。 ななみちゃんは遠くの学校に通ったりするのも大変だからって・・・ゆうこさんたちは考えてないようなんだけど。 お義母さんの自慢なんですよね~、」


と、母を見て笑った。


「ま。 兄妹たちの中でもゆうこはデキが良かったからねー。 幸太郎ちゃんだって国立大学出てるし。 ひなたはほんっと勉強できないってゆうこも嘆いてたけど、ななみはしっかり親の血を引いてるね、」



「バババカ・・・・」


拓馬は頬杖をついて呆れて言った。



「じゃあ、帰るね。」


ななみはカーデガンを持って立ちあがった。



「あ、おれ送ってくよ。」


拓馬も立ちあがる。


「え、いいよ・・・すぐそこなのに。」


「暗いから。 危ないだろ、」



「じゃあついでにモーリスの散歩の頼むね。 今日は莉子ちゃんも部活で遅いって言ってたから、」


母に余計な用事を言い遣って、ちょっと迷惑そうに眉間にしわを寄せた。



「しょーがねえなあ・・・・。」


と、そこにあったリードを手にすると、いきなりどこからかモーリスがすっ飛んできて拓馬に縋りついて尻尾を振った。



「おまえは・・・エスパーか?」


拓馬の言葉にみんな笑った。



現在の白川家です。 part4の頃よりだいぶ変わっちゃってますけども。


ゆうこの母は長男・和馬夫婦と一緒に住むようになりました・・・




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