passionato~情熱的な(14) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

あとから知ったのだが


市民参加といってもウイーンの音大生やらプロやらも参加するほどのものだったらしい。



それを知らなかった真尋は


「え、ほんと?? ほんとに優勝したら弟子にしてくれんの???」


と、食いついた。


「弟子にするとは言っておらん! 聴くだけだ、」


そうとうな頑固者だった。



「よしっ!!! 絶対に聴いててよ! おれ、出してもらうように交渉すっから!」



真尋はそのケンカを買ってしまった。



「えー? ムリムリ。 もうエントリーとっくに終わっちゃってるし、」


当然とも思える突っぱねにあった。



「そこをなんとか!! おれの一生がかかってるんですっ!!!」


「ムリだって、」


こっちの交渉も大変だった。


しばらく粘っていると、



「あれ・・・? 『Ballade』のマサじゃない?」


コンクールのスタッフらしき男性が声をかけた。



「・・そーだけど・・・」


「おれ、よくライヴ行ったよ。 ・・何やってんの、こんなトコで・・・」


真尋はラッキーに身を乗り出して



「・・このコンクールに出たいんですっ!! よろしくお願いしますっ!!!!」


その彼に頼み込んだ。



彼の実力を知るその男のおかげで、なんとか無理やりエントリーはできた。


もう胸のナンバープレートもガムテープに手書きというやっつけではあったが・・・・



音楽好きの街らしく、こんな屋外のイベントでもお客さんはいっぱいだった。



「絶対に・・逃げんなよ・・」


真尋は会場に座ったシェーンベルグにそうクギを刺した。



「わしに命令するなっ!!」


それでも


約束は約束で彼もジッと真尋の出番を待った。





「ああ、マサ。 曲は? いちおう先に聞かせて、」


そう言われて


「ああそっか・・・何弾こう・・」


「考えてもなかったの? しょうがないなあ・・・」


と笑われた。



しばし考えあぐねた後、


「よし!」


真尋はシートに曲目を書き込んだ。





無理やり入れてもらったので、順番は最後だった。



真尋は順番を待ちながら、出演者たちのチェックをしたが



なんだよ・・・みんなスゲーうまいじゃん・・・


シロウトなのかよ・・・



思ったよりも優勝が簡単でないことを思い知らされていた。



無理難題を言う巨匠に頑張る真尋でしたが・・・・


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