crescendo~だんだん強く(8) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

話はトントン拍子に進んでしまった。


彼が東京の『ホクトエンターテイメント』の社長であるお父さまに話をして、私のことは日本でもテレビや新聞で取り上げられたこともあり、会議にかけられたあとすぐにOKが出た。




「そんでね。 もう冬休みだから。 兄貴がこっちに契約に来るってゆーんだけど、」



「は??? お兄さん??」


「あのね。 兄貴はおれより2つ年上なんだけど。 なんと東大生なんだよ、」


彼はおかしそうに笑った。


「は? 東大???」


全く想像できなかった。



「そんで。 オヤジについて高校を出た頃からホクトに見習いで入社しててさ。 今は秘書みたいなことしてんの。 すんげえデキがいいんだよ・・・。」


「へえええええ、」


私は大きく深く頷いてしまった。




「しかも、バイトでジーンズメーカーの専属モデルもやってんの。」



「ほんとに???」



全く彼とは違うということはわかったが、想像もつかなかった。



「冬休みで海外に行くことになってたから、ついでに来るって。」


ちょっと

会ってみたい気もした。





彼のお兄さんがやって来たのは、クリスマスの3日前だった。



父とホクトの系列のホテルのラウンジで待っていると、


「おーい!」


あのバカでかい声が聞こえて振り向いた。



彼がやって来た。



そして



「・・初めまして。 北都真太郎です。」



後ろからやって来たまるで『紳士』の男性が彼と血の繋がったお兄さんだということをすぐに理解できなかった。


それほど


正反対だった・・・・。





「すみません。 年末でみな多忙だったので。 ぼくで申し訳ないのですが、」


本当に礼儀正しくて、そして端正な顔立ちで。


品があって。



モデルをしていると言ったけど、それも納得できるほどスタイルも良くて。



「沢藤さんのことは日本でも有名です。 芸能部のほうでマネジメントをさせていただくことになりました。 まさか弟の先生のお嬢さんだったとは、」



「はあ・・・」



緊張するほどのイケメンだった。



「グラビアの仕事なんかさせんなよ、」


彼がいつものようにエラそうに言った。



「そんなの・・させるわけないだろ・・。 ウチはここのホテルも系列ですし、仕事上の不都合はないと思います。 日本でもオファーがありましたらまたご連絡させていただきます。」



「娘は何しろピアノしか知らないもので。 どうか、よろしくお願いします。」


父が頭を下げた。


「こちらこそ。 このとんでもない弟がお世話になって。 フェルナンド先生のおかげでこちらに留学させてもらえることになったと聞いています。 本当にこちらこそお礼を申し上げたいくらいです。」



まだ二十歳そこそこだというのに


本当に大人で。


横で小指で耳をほじくっている彼とは


まるで


まるで


違うのだった・・・・。




真尋と正反対の兄・真太郎に絵梨沙は驚きを隠せませんが・・・


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