North wind(10) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

こうして


一人暮らしに猛然と突き進み始めた泉川は吟味に吟味を重ねて


部屋を決め。



さっそく引越しとなった。



「会社にも近いし。 ま、狭いけど新築だし。 今度の日曜に引越しだから・・・。 玉田! 頼むな!」


テンションが上がりっぱなしの泉川に肩を叩かれた玉田は



「・・・断れない・・」



ため息をついてつぶやいた。




「ま。 元気になって良かったんじゃない?」


香織はそんな彼を見ながら言う。


「まーねー。 でも。 ほんまに一人暮らし、甘くないしね。 すぐに現実に気づくんとちゃう?」


南は冷たくそう言った。



「ま、そのうち。 世話してくれる彼女もできるかもしれないし。」


「そやなあ・・」



二人はナニゲに心配しつつ・・・。





「や~~、いい部屋ですね~。 1LDKでもすごく広く感じるし。」


引越しの手伝いに来た玉田はベランダに通じるサッシを開けた。


「なんか。 おれだけの城って感じだよな~~。」


泉川はもうルンルンであった。


「家賃もけっこうしそうですよね、」


「ま。 敷金と礼金は親が出してくれたから。 ま、駐車場代くらいは自分でなんとかすっけど。」


ケロっと言われて


「いーですねえ。 お金持ちは・・・」


思わずため息が出た。




「・・にしても。 コレ、どーすんですかあ?」


玉田は呆れて1つの段ボールを指差した。



それはAVとエロ本の山だった。



「ああ、それ? ベッドの下にでも入れとこうかな。 なんか一つ持ってく?」


泉川は恥ずかしげもなくそれをとり出した。



「・・けっこうです、」


赤面してプイっと横を向かれてしまったので、


「おまえだってエロ本のひとつやふたつ。 持ってんだろ~? かわいこぶっちゃって、」


ちょっとイジワルを言ってしまった。



「・・・いえ、」


さらに純情な彼は無口になってしまった。



「おまえほんっとに彼女とかいないの? 顔はけっこうカワイイのに。 今度合コン連れてってやろっか?」


真剣に肩を叩かれ、



「いえ・・・。 いいです。 合コンなんかに来る女の子なんて気おくれしちゃうし。 ・・きっとそういう場に来倒してるような子ばっかりでしょうから・・・」


小さな声でつぶやいた。



「ま・・・そーなんだけど。 お互い遊びって割り切れば、それはそれで楽しいっつーか。 おれなんか逆にすっげー純情な子がいたりすると困っちゃうし。 めんどくさいし。」



あくまで


軽すぎる泉川は本をしまいながらフツーに言った。




タマちゃんは無理やり引越しの手伝いに借り出されています・・・


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