その声で
あたし・・結婚してるんです・・・
あの彼女の言葉を思い出してしまった。
そのあとのことはあまり覚えていない。
一生懸命彼女が頭を下げて謝っている姿しか。
夢じゃなかったんだよな・・・
涙が出そうだった。
そこに
「こら! はよ起きろ!!」
いきなり頭をはたかれて目が覚めた。
そこには志藤の顔が・・・
「え・・・・」
出そうだった涙が引っ込んだ。
「大丈夫ですか? 二日酔いはないですか?」
ゆうこも微笑んでいた。
「・・・おれ・・・、」
部屋を見回した。
「おまえ昨日『家に帰りたくな~~い!』って騒ぐから。 しゃーない・・ウチに連れてきてもーた。 ほんっと迷惑・・」
志藤はジロっと彼を睨んだ。
「え? おれが?」
全く覚えていなかった。
「まあまあ。 いいじゃないですか。 良かったらシャワーも使ってください。 ゆうべそのまま寝ちゃったし。 志藤さんワイシャツ貸してあげたらどーですか?」
「ハア? おれの?」
「たくさんあるでしょ? 今、タオル持ってきます。」
ゆうこは笑顔で出て行った。
志藤家のシャワーを借りて、志藤のシャツも借りてしまった。
「ゴハン。 食べられたらどーぞ、」
ゆうこはきちんと朝食を用意していた。
「あ・・ごめんね。 ほんと、」
だんだん正気に返って来て泉川はゆうこに謝った。
「いえいえ。 大したものないですけど。」
その時ベッドに居たひなたが泣き出した。
ゆうこがキッチンにいたので、
「ひなた、どした?」
志藤が抱き上げた。
「腹減ったんかな~~。 ほんまこんなヤツのメシなんかどーでもええから。 おまえのメシやんなあ、」
思いっきり泉川に嫌味を言ったりしていた。
挙句の果てに志藤家に泊まっちゃって・・・
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