Beginning(4) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「よう見るとめっちゃブランドやもんね~。」


南は酔っているようで、しっかりとした口調で言った。


「え?」


玉田が聞き返した。


「泉川さん。 スーツもイタリアの超高級ブランドもんやし。 ネクタイとか靴とか、もちろん時計も。」


南はニヤっと笑った。



「マイカー通勤してるみたいよ。 ジャガーで。」


香織も言った。



「ハア? ヒラのくせにジャガー通勤??」


志藤は思わず声を荒げてしまった。



「実家住まいで。 お金遣いたい放題なんじゃない? しかもお父さん金持ちだし。 もう幼稚舎から慶応ってのも自慢みたいよ。」


「仕事中も気がつくと引き出しから鏡出してヘアスタイルチェックしてるし。 もうナルシーを絵に描いたような感じやん。」


女性ならではの鋭い着眼点で二人は言った。



「今の電話も。 女性からっぽいですもんねー。」


玉田も半ば羨ましそうにため息をついた。


「ぜったい二股とか三股とかかけてるって!」


南は玉田の背中を叩いて笑った。




なんや


むしょうに腹立たしい・・・



志藤はいきなり険しい顔になってしまった。



「ちょっとお・・・・志藤ちゃん。 なにゴルゴ13みたいな顔しちゃって!」


南は今度は志藤に絡んだ。


その冗談にも笑わずに非常に怖い顔で酒を飲んだ。



「ホラ。 自分っぽい男がもう一人現れて。 そりゃおもしろくないって。」


香織の言葉に


「はあ????」


非常に心外な顔で彼女に振り向いた。



「ああ、そうそう! 志藤ちゃんも全身おっしゃれーやし! コロンとかヘアスタイルにも命かけてるし! もう自分の容姿にありったけ自信満々やん!」



鬼の首を取ったようにそんな風に言われて



「お、おれはっ! あんなにムカつく態度はとらへんっ!!」


思わずムキになってしまった。



しかし。



よくよく考えると


泉川とスーツのブランドも被ってるし


あの女子を意識してやまない素振りや


言葉も




・・・・・・・




あいつを見ているとイラつくのはそのせいか???




なんとなく鼻持ちならないと思っていた彼は


他人から見た自分の姿なのかと思うと


思わず頭を抱えたくなってしまった。



まるで自分のコピー??? 指摘された志藤は腹立たしくも情けなくなります・・・


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