All of you(9) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「・・・なぜ。 南にすがろうとしなかったんですか、」



志藤はタバコを口にした。



「惨めでした。 何もかも。 社長代理としての仕事も中途半端で、おまけに・・・父からは自分の記憶が消えていて。 南はそんなぼくに気を遣ってくれましたが・・・それが惨めだった。」



真太郎はぎゅっと唇をかみ締めた。




「彼女と出会った頃は・・・もうホント。 弟みたいで。 つき合い始めてからも、彼女にいつも引っ張られて。 でも・・結婚してからは、ぼくが彼女を絶対に幸せにしたいって思ったし、男として南を・・・世界一幸せにしたいと思いました。 仕事にも自信がついて、夫としても・・・彼女を支えてるって気持ちもありました。 だけど。 自分がこんなに未熟で弱かったなんて・・・。 それもショックでした。」




ゆうこは一度は引っ込みそうだった涙がまた溢れてきた。




「・・・あたしよりも・・南さんはずっと真太郎さんのことをわかってます。 あなたがどんなにか頑張ってきたことも。南さんがわかってくれないはずがないです! ちゃんと本当のことを話して・・・今、あたしたちに言ってくれたことを南さんにもきちんと、話してください。 あたしは・・お二人が別れるなんて・・・とっても、」



涙で言葉が続かなかった。



志藤は黙ってゆうこの頭を優しくぽんぽんと叩いた。




もう

ジュニアがいなかったら生きてもいけないんじゃないか、と思えるほどの彼女が


離婚を決意したというのは


かなりの決心に違いない。



ジュニアの弱さも全てわかっているはずなのに


なんでこんな極論を持ち出したのか。




志藤はどうしても南の気持ちがわからなかった。




真太郎にはもちろんその届を出す気持ちはないのだが、それを引き止めて


もう一度南と話し合うようにと彼を説得することで、一晩が過ぎてしまった状態であった。





事業部は週に一度の朝の会議をしていた。



申し送りなどをしていると、



「おはよ。」



南が顔を出した。



「南さん、」


みんな少し驚いた。



「ごめんな。 ずうっと向こうの仕事ばっかりで。 ちょっと斯波ちゃんとみんなに話があって、」


唐突に南は封筒を斯波に差し出した。



「・・??」



それは『退職願』であった。



「は・・・・。」



斯波は固まってしまった。





「本当にごめんね。 みんなも・・・ごめん。 あたし、ホクトを辞めます。」




南の告白は


事業部のみんなをもパニックに陥れた。




とうとう南は斯波に『退職願』を差し出してしまいます・・。 いったい南はどうなる??


人気ブログランキングへ 左矢印 お気に召しましたらポチっ!わんわん お願いします!

人気ブログランキングへ 左矢印 携帯の方はコチラからお願いしますドキドキ
My sweet home ~恋のカタチ。