All of you(2) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

南は志藤の視線をそらすように


「そんなこと・・・ないって、」


と、苦笑いをした。



「おれの力なんか。 何にもならへん。 おまえがいれば・・あの人は大丈夫なんや、」



志藤は彼女がいったい何を考えているのか


それを自分の頭の中で浮かべてしまうのが怖くて。




「・・そう・・思うのなら。 あたしのところに帰ってきてくれたはずやん、」




南は初めて


真太郎を責めるような言葉を吐いてしまった。




もう


それを言われてしまうと。



リエのもとに逃げ込んでしまった真太郎の気持ちを庇ってやる言葉が見つからない。



聡明な彼女は志藤の困惑もわかっていた。



「そんなに。 真面目くさった顔しなさんなって。 ほら、仕事仕事、」


最後はいつもの彼女になって笑った。




「んじゃあ。 先にリゾートの方に顔を出してから行きましょうか。」


志藤は真太郎と車に乗り込んだ。



志藤が運転席に座り、キーを差し込むと真太郎が助手席に乗ってきた。


それにふっと笑って


「後部座席にどうぞ、」


と言った。


「え・・?」


真太郎は不思議そうな顔をした。



「社長は後部座席でしょう、」



彼の言う意味がわかり、少し戸惑いながら



「まだそんな器じゃありませんから、」


照れてうつむいた。



「いいえ。 専務がそういう気持でも。 世間の目もありますから。 ぼくはあなたの部下だ。 ぼくが運転をするからには・・あなたは後部座席に座るべきです。」


今度は少し厳しくそう言った。



「志藤さん・・・」



ずっと

兄のような気持ちで彼と一緒に居て


仕事においても尊敬していた。


今まではこうして車も隣の席に座って、軽口を叩いて。



ずっと、同じような気持ちで接していたのに




「気にすることはありません。 あなたは・・・北都エンターテイメントの社長代理です。 社長と・・同じなんですから。」



志藤は静かに真太郎にそう言った。



まだまだ自信なさげな真太郎に志藤は自分とは立場が違うことを知らしめます。


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