Fly to the moon(9) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「さきほど簡単に胃カメラを入れて、胃の中の様子を見てみました。 そうしたら・・・ほら、ここは胃の底あたりになるんですけど。 潰瘍ができていて、血が滲んでいるでしょう。」


医師は1枚の写真を夏希に差し出した。



「胃壁が破れて出血しています。 そのほかにも、もう胃の中がボコボコなクレーター状になっていて。」



と、いろいろと写真を見せられたが、夏希はもう自己処理もできなくなり



「ガっ・・・ガンとか、そーゆーのでは・・」


もう最悪の事態を考えてしまった。



医師は微笑んで、


「まだ病理検査の結果が出ませんからなんとも言えませんが、こうしてみたところは・・・まあ、ひどい胃潰瘍、ですね。」


と言った。




胃潰瘍・・・



夏希はとりあえずそれがガンでないことがわかり身体の力が抜けてしまった。



「胃潰瘍でも最近は手術をしなくても投薬でよくなる場合もあります。 外科手術をすると体力的にも大変ですからね。 幸い穴が空いているわけではないので・・・薬で治療することになりそうです。」



手術・・しなくていいんだ・・・



そこにもほっとした。




「こんなになるまで、そうとう我慢をしたようですね。 胃の中も空っぽでたぶん・・・昨日の昼くらいから何も食べてなかったんでしょう、」



胸がちくんとした。



「まあ、こんな状態ですから食べても嘔吐したりしていたかもしれませんね、」




夏希はますますそれに気づかなかった自分が情けなかった。




「それに過労もみられるので、・・・そうですね・・・2週間ほど入院をして様子をみましょう、」



医師の言葉に



「2週間・・・」



夏希は顔を上げた。



「あのっ・・・・結婚式が・・・・あと、1週間くらいで・・」



医師は少し驚いた顔をしたあと、



「そう、ですか・・・。 そうですねえ・・・・ちょっと1週間くらいは絶対安静にしてほしいんで。 披露宴も・・耐えられないかもしれません、」


声のトーンを落として言った。




いや


もう結婚式など、どうでもいいのだ。



彼がよくなってくれたら。



夏希は膝の上でぎゅっと拳を握った。




「・・会えますか、」



「まだ少し検査が残っていますが。 意識はあるので・・・隣の検査室にどうぞ。」


医師は優しい口調でそう言った。




やはり激務とストレスで高宮はボロボロでした、夏希はもうたまらない気持ちで・・・


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