Close your eyes(2) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「は・・・? シグマが?」


高宮は出張先の箱根から会社に戻ってすぐに、志藤からその話を聞いた。


箱根に来年早々オープンするノースキャピタルホテルの最終チェックのため、1泊2日での出張だった。




「ん。 まあ・・・去る者は追わず、やけど。 でも・・これでウチの音楽配信事業も一から練り直しやなあって、」


志藤はため息をついた。



「・・・MITSUYAって言いましたよね・・」


高宮はすぐにパソコンに向かった。




しばらく何かを調べた後、


「・・やっぱり、」


ぽつりと独り言を言った。



「なに?」


志藤が覗き込む。



「2~3か月くらい前に、NYの友人とメールのやり取りをしていて。 MITSUYAがNYのNationsに狙われてるとかって噂を聞きました。」


「Nations?」


「ええ。 まあ・・・・もう何でも屋ですよ。 片っぱしから企業を買収して、大きくなってますから。 MITSUYAは数年前から海外にも進出していて手広くやってます。」


「狙われてるって・・・買収ってこと?」


「ええ。 ここんとこ。 MITSUYAの株が・・少しずつですが海外に流れてるんです。 それも気になっていました。」


高宮は志藤を見た。



「みすみす買収されるってわかってる会社と提携すんの?」


「シグマは知らないかもしれません・・・。」


「あの社長のいきあたりばったり度を考えると・・・ありえるな。」


志藤は腕組みをした。



「まだ・・・芽はあるかもしれません。」


高宮は志藤を見上げた。



「うむ・・・」

志藤はうーんと考えた。



「もう少し詳しく調べます。 向こうの証券会社にもコネクションありますし。 ・・専務にも相談を、」


「・・わかった。 頼む。」




正直、クタクタだった。



しかし、会社のこの危機にへこたれるわけにはいかない。



高宮は必死だった。





「本当、ですか?」


真太郎はその話に驚いた。



「高宮はNYでずっと経営の勉強をしてきて、市場の動向にも詳しいです。 腹立つほど冷静に先を読んでるんで、ムカつくことも前はよくあったんですけど。 ・・・もし、これが本当なら。 ウチも業務提携とか面倒なことをしなくても・・・シグマを自由にできるかもしれません。」

志藤はニヤリと笑った。



業務提携をする、と契約をして徐々に子会社化していくのが目標だった。



高宮の起死回生の助言に、ホッとした半面。


自分がシグマの周辺を調べ上げることをしなかったことを後悔した。


というか。


自分の至らなさを痛感した。





「専務。 間違いないです。 Nationsは週明けにも発表するようです。 MITSUYA側からのウラも取れました。 ぼくもいっしょに行きます。 もう一度シグマに乗り込みましょう。」


高宮は書類を持って真太郎のもとにやってきた。



「う・・うん。 ありがとう、」


ひとすじの光が見えた。




高宮の機転で活路が見えてきました。 さて、どーなる?


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