Rainy blue(16) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「・・しばらく。 休んで。」



斯波はタバコに火をつけて結城に言った。


「え、」


「オケをあんだけ混乱させた責任は。 取ってもらう。」



何も反論できなかった





玉田は麗子の住むマンションを訪れていた。


いくらインターホンを鳴らしても応答がなかった。



ため息をつき、マンションのエントランスの外で彼女を待った。



夜になっても彼女は戻らない。


しかし、

玉田はそこを動こうとしなかった。




そして

何時間待ったころだろうか。


麗子はふらっと戻ってきた。



「さ、佐田さん、」


玉田の姿に麗子は驚いた。



「玉田さん、」



「ほんと! 結城がきみに何を言って、どんだけ傷つけたのかわかんないけど。 責任者としてぼくに責任がある! どうか、辞めるだなんて言わないでくれ!」


玉田は必死にそう言った。



麗子は目を伏せながら


「もう、いいんです。 あたし、ずっと悩んでいましたから。  自分はどんなに頑張ってもムダだって。」


と小さな声で言った。


「そんなこと! ぼくは佐田さんをちゃんと認めてる!  コンマスだってきみが相応しいと思ったから!」


「でも。 室内楽のメンバーからはいつも外されました、」


麗子は玉田を睨むようにそう言った。


「それは・・・」




少人数の弦楽器のコンサートは

麗子の性格が強すぎて

統制がとれない、と判断し。


玉田はいつも彼女をそこから外していたのは事実だった。




「うるさい女だって・・・どうせ目の上のたんこぶで。 あたしが辞めればオケもうまくいってせいせいするでしょう、」


麗子は自動ドアを入って行こうとしたが、玉田はいきなり



「きみがいなかったら! オケはバラバラになってしまう! だから・・・!」


そこで彼女に土下座をし始めた。



「た、玉田さん、」


麗子は驚いた。


「頼む! 辞めるなんて言わないでくれ!」



同じマンションの人間が怪しげにその姿を見て中に入っていく。



「や、やめてください! そんなことしないで!」



麗子は狼狽した。



「ほんと! オケが大変なことになるから!」



玉田は必死だった。



麗子も動揺しながら



「じゃあ。 彼を辞めさせて下さい。」



玉田にそう言った。



「え・・・」



「結城比呂を。 辞めさせてください。 そうしたら・・・あたしは戻ります、」


麗子は冷たくそう言った。



麗子がオケに戻る代わりに結城を辞めさせる?? 

玉田はさらに究極の選択を迫られます・・




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