Someday(10) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

八神は

もう

口が開きっぱなし状態になってしまった。


「・・慎吾にもまだ言ってなくって。 なんか照れちゃって、いつ言おうかなァって・・」

美咲は照れてちょっと顔を隠すようにした。



「この幸せな場所で、みなさんにご報告しよっかなあって。 ちょっとサプライズしちゃいました、」



美咲はチラっと八神を見ると、

あまりに

驚いた顔の見本になっていた

その顔にぶっと吹き出してしまった。




「な・・なに? おまえ・・」




八神はようやく言葉を発することができた。

真尋のピアノで感動して涙を流しまくっていたが

一気に引っ込むほど

それはオドロキで。




南はまっさきに

「美咲ちゃん! おめでとー!! そっかあ・・よかったやんか~~!!」

美咲のところに駆け寄って彼女に抱きついて喜んだ。


「・・ありがとうございます。 あたしもなんだか信じられなくって、」


「あ~!! もう、うれしー!! また家族が増えるんだあ~!」

南は美咲に抱きつきながらはしゃいでしまった。

その傍らで八神はまだボーっとしていた。



え?

なに?

美咲に子供???



って

おれの子供だよな??



いちいち確認しないと

とても信じられなかった。



「ちょっと八神~! 間抜けな顔してないで喜びなさいよ~!!」

南に背中を叩かれた。



「えっ・・・って、え~~!??」

八神のリアクションにみんなは大ウケだった。


「慎吾ってば・・もっと喜んでよ。子供欲しいって言ってたくせに・・」

美咲はちょっと膨れる。



「・・って! なんでおれに言わないわけ~? ここでサプライズにする意味がわからないっ!」




彼のうろたえぶりに驚いていた周囲も笑ってしまった。


「え~、だって~。 おもしろそうだったんだもん、」

美咲はケロっとして言った。



「って、それもドッキリじゃねーだろーなあ・・・」



「ドッキリじゃないよ! ほんとに赤ちゃんができたの!」

美咲は人目も憚らず八神に抱きついた。



みんなから一斉に冷やかしの声が飛ぶ。



「ば、バカっ、」

八神は周囲を気にして真っ赤になってしまった。



「やったじゃーん! 八神~!! おまえもパパかよ~!」

真尋も飛びついてきて八神の頭を撫でた。



パパ・・・

おれが?


ほんとに?




じわじわとおなかの底がこそばゆいような

妙な嬉しさがわきあがってくる。



おれたちの

子供・・・。




「そうだよ、慎吾もパパなんだから。 ほんと頑張ってね、」

美咲はいたずらっぽく笑って八神の鼻をぎゅっとつまんだ。




曇りがちだった天気は

いつの間にか

春の日差しが降り注いでいた。



庭に出て

みんなで記念撮影をした。




「あ、襟が、」

萌香は斯波のスーツの襟元を直してやった。




「八神も・・・お嫁さんもらって。 パパになって。 一安心だね~。」

南は隣に並んだ志藤にボソっと言った。


「ん~。 ま、末っ子が結婚したみたいな感じかな~。」

志藤もため息混じりに言う。



「あとは・・・。 あの二人だね、」



南はコソっと前にいる斯波と萌香を指差して志藤に耳打ちをした。



「・・あの二人かあ・・」




こいつらは

八神みたいに

一筋縄じゃあいかないやろけどなあ。



志藤はそれでも

優しい目で時折

目を合わせて見つめあう、萌香と斯波の姿を

じっと見た。




みなさま、長い間お読み頂いてありがとうございました! PartⅡ、いちおう終了です(o^-')b


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