「続・続・最後から二番目の恋 」第2話~若さより輝く時だってあるんだぜ | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「続・続・最後から二番目の恋 」

 

 

第2話~若さより輝く

時だってあるんだぜ

 

 

律子) 厳しく言ってほしいんです。

 優しくとか、甘やかす感じ嫌なん

 です。おばさんだから、よく頑張

 ってるんじゃないかとか、ちょっ

 とカワイイから多少のことは多め

 に見るとか、大したギャラじゃな

 いんだから、贅沢言えないとか、

 まあ実際大したことないんで、微

 々たるものなわけですが、そうい

 うの嫌なんです。私の言ってるこ

 と、伝わってますか?

和平) あっ…はい、あのう…

 もちろん、はい…。

律子) ちゃんと、ちゃんと、役に

 立てるようになりたいんです。役

 に立ちたいんです。だから、 厳

 しく、教えてください。駄目出し

 してください。お願いします。

和平) わかりました。

 

**********

 

和平) 第二の人生のスタートか。

 

<三年前・鎌倉市役所>

 

和平) 再任用で、また皆さんとご

 一緒に仕事をすることになりま

 した、長倉です。えーある意味、

 今日が私の第二の人生の、スタ

 ートです。新たな気持ちで、鎌

 倉のためにお役に立てるように

 頑張りますので、よろしくお願

 いいたします。

田所) 課長~…。

和平) もう課長じゃないし。お前

 さ、ずっと俺のこと課長って呼

 んでるけど、俺ここ退職する時

 部長だったからね。

田所) えっ、そうでしたっけ?

和平) そうでしたっけって何だよ。

田所) だって、課長は、課長って

 感じなんですよ。どっからどう

 見てもほら、課長顔ですもんね。

知美) 分かる、課長顔。

和平) 課長顔って何だよ。

知美) すいません。

田所) じゃあ何て呼んだらいいん

 ですか、今日から。

和平) いやだって、お前は今田所

 課長なんだから、俺は、名前で

 いいよ名前で。

田所) えっ、いいんですか?

 よろしくね、長倉君。

和平) いやいや、「君」じゃねえよ、

 「さん」だよ。「さん」に決まって

 るだろ。

田所) いいじゃん。

 人前だけ君呼びで。

和平) えっ、どういうこと? それ。

田所) 人前だけ。

和平) ちょっと待って、

 どういうことだよ。

 

**********

 

律子) ちなみに…。

 私も未亡人です。

和平) はい?

律子) アハッ。ウフッ。

和平) えっ、どういう意味?

 

**********

 

成瀬) 自分のこのつらさを、真剣

 に誰かが聞いてくれるっていう

 のは、いいもんだなあと。まあ、

 それは、医者は仕事ですしね、

 当たり前のことなんですけど、

 はい。

千明) なるほど。

 うん、分かる気がします。

成瀬) あっ、ちゃんと精密検査行

 ってくださいね。であの、結果

 を持って、また来てください。

千明) はい、

 ありがとうございます。

成瀬) 走り続けるためには、たま

 には、ピットインしないとね。

千明) はい。

成瀬) うん。

千明) あ…あのう…。

成瀬) えっ?

千明) 先ほど、あのう、診察して

 くださってる時に先生私に、「ま

 だ若いんだから」とか「若いか

 らまだ大丈夫だよ」とかって、

 言ってくださったんですよ。

成瀬) そうでしたか?

千明) はい。まあ、あのの方たち

 に比べたら、若いわ私って、

 思いました。

成瀬) あぁ…すいません。

千明) あっ、いいんです。いや、

 意外とうれしかったんです。

 ありがとうございます。フフフ。

 

**********

 

祥子) そんなに素敵な先生なんだ?

千明) そうなの~。

啓子) え~いいなぁ。

 私もそこ行きたい。

千明) 教えねえ、お前には

 ぜってー教えねえ。

啓子) ぜってー聞きてえ。

 ていうかさ、幸せってさ、

 シェアした方がいいんだよ。

千明) シェアしたら減るんだよ。

 私のオアシスなんだからね。

祥子) オアシスねぇ。

千明) それにね、それにね、エヘヘ…。

啓子) 何かあんの?

千明) 何かこういうこと言うとさ、

 ちょっと自意識過剰女みたいなん

 だけど、あんたたちだから言うね。

啓子) 何?

千明) あれはね、何かこう、

 あるね、感じるの。

祥子) 何を?

啓子) 何?

千明) 何か、初めてさ、私の顔見た

 時も「あれ?」みたいな、「ドキッ」

 みたいな顔したし、何か意識しちゃ

 ってる感じなんだよね。

祥子) うーん、でもさ、そういうの

 年取ると、勘違いって場合もあるか

 ら気を付けないとね。

千明) えっ、ちょっと待って、

 どういうこと?

祥子) いやこないださ、男、若い子

 なんだけど、千明が言うみたいに、

 私のことチラチラ見てるわけよ。

 えぅ、何? 何々? 意識しちゃって

 んの? みたいなことがあって。

啓子) えっ、で?

祥子) いや~酒の勢いでちょっと聞

 いてみたわけよ。「私を目が合うと

 目そらすよね、何で?」って。

千明) そしたら?

祥子) そしたら、「目が合ったら、

 怒られると思って怖かっただけで

 す」だって。

啓子) うわ、ハハハハ! マジ?

祥子) だから、千明も、怖いだけか

 もしれないよ? 気を付けないと。

千明) それはね、祥子ちゃん

 だからだと思うわ。

啓子) 同感。

千明・啓子) ねえ。

祥子) 何それ。

千明) あっ、それとね、それと、

 「吉野さんはまだ若いんだから」

 って、12回も言ったの。

啓子) 12回も?

千明) そう。

祥子) 数えちゃった?

千明) 数えちゃうでしょ。だって

 若いなんて言われることないんだ

 もん、新鮮じゃん。会社行けばさ、

 あと1年で定年だ、セカンドライ

 フセカンドライフ言われてさ。

 もうホントに一生懸命生きてきた

 のに、もう一度人生やり直すのか

 よって、何だよそれ、うるせえよ、

 みたいな、そういう気分になるじ

 ゃん。だけどさ、若いですって言

 われると、あれ? あたしまだいけ

 んの? まだ若いのか。もう一回ぐ

 らい何かできるかも、みたいな、

 そういう気分にさせてもらえるじ

 ゃ~ん?

啓子) すごい。

祥子) 素晴らしいね。

千明) いいお医者さん。

啓子) イェーイ。

 イェーイ、キュンキュン。

千明) いい先生。

啓子) じゃあ乾杯しよ。

千明) 乾杯しよっか。

祥子) かかりつけ医、大事。

千明・啓子) 大事~。

千明) 乾杯。

啓子) 乾杯。

 

**********

 

えりな) あんまり無理しないでね。

和平) ん?

 えりなさ、無理したい年頃ってあ

 るんだよね。まあ60過ぎてまだギ

 リギリ体も動くしさ、何か無理で

 きてる自分が、うれしいっていう

 かさ。フフフ…。

えりな) へぇ、そうなんだ。

和平) うん、まあ、例えば。あっ…。

 ごめんごめんごめんごめん…。

 集中集中、集中でしょ。

えりな) 風邪ひかないでね。

和平) ありがとう。えりなも

 あんまり無理しちゃ…。

 あ…違う。

えりな) もう。おやすみ。

和平) 分かってる。おやすみ。

 

**********

 

和平) 何かご機嫌ですね。

千明) まっ、そうですね、どんと

 来いって感じかな。定年も、還暦

 も、老後も、来たいなら来ればい

 いじゃん、来るなら来いやーって

 いう感じ。そんな朝でした。

和平) それは素晴らしい。

千明) はーい。なので、あのう、今

 朝は、ケンカとかしたくないので、

 よろしくお願いしますね。

和平) いやこちらこそですよ、

 願ったりかなったりです。

千明) 余計なこととか絶対に

 言わないでくださいね。

 よろしくお願いします。

和平) うん、ちょっと待ってくださ

 い。あのね、ケンカするつもりは

 全然ないんですけど。今みたいな

 言い方されると、私がいつも余計

 なことを言うことによってケンカ

 になってるみたいな感じがするじ

 ゃないですか。

千明) だってそうじゃないですか。

和平) 何をおっしゃってんですか。

 いつもあなたが私が言うことに

 つっかかってくるって…。

真平) はいはい、はいはい

 はいはい…はい。

 何かおかしくない?

千明) 何が?

真平) いや、何ていうか…。

万理子) ケンカはしないというこ

 とについてケンカをなさるのは

 さすがにいかがなものかと言い

 たいのでは?

真平) そうそう。さすが万理!

万理子) みんなが思ってても、

 言葉にできないことを言語化す

 るのが脚本家に与えられた使命

 だと思っております。

えりな) すてき。

万理子) とんでもございません。

真平) ていうかさ、何かいい

 ことあったの? 千明。

千明) うん、まあね…。いや、

 もうちょっと、頑張っちゃおう

 かなーみたいな。無理できる時

 に、無理しないといけないなー

 みたいな。そんな気分。

和平) ほう。

えりな) 昨日の夜お父さんも、

 「無理したい年頃もあるんだ

 ぜ」とか言ってたよね。

和平) ちょっと待って。

 俺、「だぜ」とかは言って

 ないからね。

えりな) そうだっけ?

千明) 目に浮かぶぜ。

和平) だから言ってないって

 言ってるじゃないですか。

千明) そんなこと言ってないぜ。

真平) は~い、朝ごはんだぜ。

千明) うわ~ありがたいぜ。

えりな) おいしいぜ。

真平) だぜ!

和平) お前何なんだよそれ、

 お前ホントに。

千明) あの~無理できる、年頃と

 かそんなような発言をしたそう

 ですけど、無理に関しては、私が、

 先に発したことなんで、あのう、

 まねしないでもらって…。

和平) ちょ…ちょっと待ってもらえ

 ます? 今えりなの話聞いてました?

千明) 聞いてましたよ。

和平) 私がその話をしたのは昨夜で

 すよ、昨夜。あなたが話したの今

 ですよね。どっちがまねしたこと

 になるんですか? これ。

千明) 私的にはそっち?

何言ってんだろうね。そういう、自分

 勝手な理屈をですよ、「私的には」

 って、そういうふうに置き換えない

 方がいいですよ。

千明) 嫌なジジイになるんでしょう

 ね、っていうか、もうなってるか。

和平) いや余計なお世話ですよ。

 そっちも結構やなババアになって

 ますよ。

千明) 何言ってんですか、私は

 カワイイおばあちゃんになるに

 決まってるじゃないですか。

和平) そう言ってる人に限って

 なれないんです。

千明) うるせえよ、だぜジジイ。

和平) うるせえわ、

 揚げ足取りババア。

万理子) あの!少し文脈がズレますが、

 千明さんの老後について長倉万理子、

 ひとつ語ってもよろしいでしょうか?

千明) 私の老後? どうぞ。

万理子) はい、ささやかな夢を持って

 おります。千明さんの老後。例えば、

 例えば、介護が必要になった場合、

 私がおそばで介護いたします。それ

 が私の夢なのでございます。そのた

 めに、神様は、私を千明さんよりも

 遅れてこの世界に誕生させたのでは

 ないかとすら思うのでございます。

 あっ、ちょっと怖いというか、その

 ように感じさせてしまったなら申し

 訳ございません。何か私…ホントに

 おかしなこと言いました…。

千明) ありがとう万理子。よろしくね。

万理子) はい! ありがとうございます。

 泣きます。

和平) 何これ、この、茶番劇。

 この雰囲気何なの?

万理子) ちなみに、知りたいかどう

 かは分かりませんが、私の想像す

 る未来において長倉和平は…。

和平) んっ? 俺は?

万理子) ……。

千明) ん? 大丈夫?

和平) 何か言えよ!

万理子) あっ! 申し訳ございません。

 ですがお兄ちゃんには、永久に元気

 でいていただきたいのでございます。

 願いでございます私の。

和平) それはありがとうございます。

 そのようになるように…。

 

**********

 

千明) で?

典子) その姿がさ、

 色っぽかったらしくて。

和平) どこが?

典子) スカウトされた。

 まあ、女優?

和平) お前大丈夫かそれ。

 怪しい話じゃないのかよ。

千明) スカウトって誰に?

典子) 週刊誌のね、湯煙美人ってい

 うグラビアみたいなのがあるらし

 くって。こう、秘湯温泉でさ、美

 しい熟女がね、こういうね。人気

 あんだって。

和平) あぁ…あぁ、あれか。

えりな) 知ってるんだ? 

 読んでるんだ?

和平) 違う違う、読んでるんじゃな

 くて、あれ鎌倉でもやったことある

 んですよ。私が観光課にいた頃に、

 まあお話頂いてお引き受けしたんで

 すけど。あの、全然普通の雑誌です。

 お前…熟女がうぇ~ってそういうん

 じゃないですよ。まず普通に女性写

 ってるんですけど、名所とか、旅館

 の食事とか、そういうのを紹介する

 ような、あのう、全然こう卑猥なも

 のではないです。

典子) じゃあいいじゃん。ねっ。

和平) いやだからその雑誌はな。

 雑誌はいいけど、誰からお前が…。

典子) やろうと思うんだ。決めたの。

 言われたのよ、「もったいないです

 よ」って。そう言われた。確かにね、

 このナイスバディを無駄にしない手

 はないと思ったわけ。だからやろう

 と思う。バカなのも、いい年してっ

 て思われるのも分かるけど、このま

 ま終わりにしたくはないわけ、私は。

 だからやる。私のセカンドライフは

 セクシー系。アハハハ…フフフ…。

和平) セクシー系って分かってん

 のかお前、ホントに…。

えりな) あの…。

千明) あっ、遅刻?

えりな) あっ、はい、明らかに。

和平) もう、また食べて

 ねえじゃねえか。

千明) ねえ典子。

典子) はい。

千明) まだ返事はしてないんだよね?

典子) うん。

千明) 名刺。まっ、典子が、これか

 らどうするかは、賛否両論あると思

 いますけど、この名刺について私が

 きちんと調べてきます。怪しいか怪

 しくないか。それまで、返事をしち

 ゃ駄目だよ。で、返事を急がせるよ

 うな人は、絶対におかしいから、

 断んなきゃ駄目。分かった?

典子) はい。

和平) すいませんよろしく

 お願いします。ごめんなさい。

万理子) いってまいります。

真平) いってらっしゃい。

和平) 典子、大丈夫か?

典子) うん。

和平) じゃ、いってきます。

えりな) うん。

(戻ってきて典子をハグする千明)

千明) いってきまーす。

 

**********

 

千明) でもまあ、兄として心配っ

 ていうのは、よく分かります。

和平) ええまあ。

千明) でも私は、そんな典子が、

 愛おしかったですけどね。

和平) え?

千明) ていうか負けた気がしましたね。

和平) えっ?

千明) あいつセカンドライフを始め

 るんだな、あたしより先にって。

和平) ハハハ…。

千明) 何かちょっと悔しい気分。

和平) ああなるほど。ハハッ。

千明) うん。

 

**********

 

知美) いや、いまだに、なかなか

 慣れないことがあって。

和平) ん?

知美) 病気のこと。私、何か、時々忘

 れちゃうんですけど…。元気なんで。

和平) 真平ね。

知美) でも、本人は忘れることなんて

 なくて、そんな瞬間きっとなくて。結

 婚してから毎日、毎日ですよ? 毎日、

 俺は幸せだ、幸せだって言うんですよ、

 毎日。その言葉聞くと、そのたびに私、

 ああ真平さん、不安なんだな、失うの

 が怖いんだなって思って…。何か…。

 あっ…すみません。

和平) ううん。そっか。そうだよね。

知美) いや、分かった上で結婚

 してるんですけどね。

和平) ううん。何かその気持ち、すご

 くよく分かるんだ。うーん…うまいこ

 とは言ってあげられないんだけど、真

 平が家にいた時、俺も同じことを考え

 てたから。もちろんあいつは、不安を

 なくしてないし、怖いんだと思うのね、

 失うのが。でもそんな中でもさ、毎日、

 幸せだって言えたり、思ったりできる

 のは、昨日より、今日、今日より、明

 日、その…真平の人生が、素晴らしい

 ものに、なってるんだって、俺は思っ

 てる。それはあの…ホントに知美ちゃ

 んのおかげなんだ。もちろん、そうや、

 おっちゃんや…。兄として、心から感

 謝してる。ありがとね。

知美) うぅ…。

和平) いや、ごめんごめん。いやいや…。

知美) やだ…。

和平) そうじゃない…。

知美) 泣いちゃうじゃないですか!

 

**********

 

千明) ちょっとみんなに聞いてほしい

 というか…まあ…助けてほしいんです。

 私、吉野千明、次の月9の企画、出し

 てみようかと思ってます。そう決めま

 した、今。定年を前にさ、最高傑作、

 ってやろうかなと思って。なのであの

 う、みんなに、ご協力をお願いしたい

 んです。

飯田) あの千明さん、あの、

 一つ聞いてもいいですか?

千明) もちろんどうぞ。

飯田) あのう…。あの、うれしいです。

 最高にうれしいです。千明さんの

 最高傑作への意欲というか、はい。

 でもあのさっき…。

千明) うんうん。

飯田) 企画のポスター万理子ちゃんと

 見てた時、何か怒ってましたよね。

三井) 怒ってましたよね、かなり。

千明) 怒ってました?

飯田) はい。それは…

 何への怒りでしょうか?

千明) だってさ…誰かそのチラシ

 みたいな持ってる人いる?

女性) あっ、あります。

千明) うんうんうん…ありがとう。

 はい、見て。これさ、代表作、みた

 いなの書いてあるじゃない? 見て、

 ねっ? 私のドラマが入ってないんだ

 よね。

三井・千明) そう!

佐久間) そこ?

千明) そこだよ、佐久間君。

 仕方ないんだけどね、これが、現実

 だから。だけどさ、悔しいわムカつ

 くわ、もう自分自身にって感じで、

 だからまあ年甲斐もなく、ぶっ放し

 てやろうかなーみたいな。

万理子) 怒りは、全ての創作への大き

 なエネルギーだといわれております。

 社会への怒り、自分への怒り、許せ

 ない誰かへの怒り。何でもよいと思

 うのです。千明さん、私はうれしい

 です。千明さんは最近あまり怒らな

 くなってらしたので、それを少しさ

 みしく感じておりました。怒ってる

 時の千秋さんは最強でございます。

千明) そんなに怒ってた? 私いつも。

三井) はい! 基本的に出発点はいつ

 も怒ってましたね。ふざけんな!

 やってやろうじゃないか!

 なめんなよ! みたいな。

千明) そう?

三井) でも、確かに、怒ってる時の

 千秋さんはパワー発揮しますから

 ね。うん、いいですね! いい感じ!

飯田) 確かに、何かワクワク

 してきました!

千明) えっ、じゃあ代表作、

 作っちゃおうかな~。

一同) お~。

千明) ちょっと遅いけどね。

万理子) 遅くないです!

千明) いやいや、だいぶ遅いでしょ。

万理子) だいぶも遅くありません!

千明) でもね、まだ、ここまでなんです。

 まだ発想はここまでなのよ。こっから

 先は、楽しくやりたいとは思ってます。

三井) そうですね、楽しまないと。

 怒りを楽しみに変えてしまいましょう。

万理子) おぉ、さすが三井さん。

三井) 千明歴長いので。

千明) いや、私一人の力や、発想なんて

 もう大したことないからさ、今回は、

 みんなの話を聞かせてもらえればと思

 ってるんですよね。その時はみんな一

 人一人が主役でね、自分の人生の話を、

 聞かせてほしいの。どんなこと考えて

 て、どんなものが好きとか、何かそう

 いうね、人生の話を、聞かせていただ

 けたら、助かります。どうぞよろしく

 お願いします。フフフ…。じゃまずは、

 そうだね、佐久間君、どうですか?

佐久間) いや…。

千明) あっ、駄目か。こういう

 のも圧になっちゃうのかな。

佐久間) 面白いか分かんないすけど…。

千明) いや、つまんなくていいんだよ。

 つまんないことが面白いんだよ、いと

 おしいんだよ。私はね、そういうドラ

 マが好きだし、そういうドラマを、

 作りたいと思ってます。

佐久間) あー…。分かりました。

飯田) まんざらでもない顔だし。

佐久間) いやいや…。

 

*********

 

佐久間) 子役やってた時期があって。

一同) え~。

佐久間) 5秒で泣けみたいな

 スパルタレッスンとか。

千明) 胸が痛い。

佐久間) 親とか、じいちゃんとか

 ばあちゃんとか、頭ん中で殺し

 まくってて。せりふそのまんま

 使って、好きな子に告白したら

 成功したんですよ。

 

**********

 

和平) 吉野さんとお話がしたくてね、

 じゃこれお誘いしようと。で、携

 帯を出して、メッセージを打とう

 としたらそこに吉野さんから来た

 んですよ。

千明) あらやだ。

和平) ハハハ…今日何かありました?

千明) あっ、じゃあ私から。

和平) もちろんどうぞどうぞ、ぜひ。

千明) えー私何か、動き始めました。

 やりますよ、私って感じなんです。

和平) 何かそんな感じしましたよ、

 今朝。

千明) きっかけは、近所にかかりつ

 け医を見つけたことなんですけど。

和平) かかりつけ医?

千明) はい。何かその病院に行くと

 ね、「吉野さんまだまだ若いんだか

 ら」とか、「まだ若いんだから大丈

 夫ですよ」とかって言ってもらえる

 んです。そしたら何か、こう褒めら

 れてるような気分になって。でね、

 もともと私の、原動力ってどうやら、

 怒り、らしいんですけど。

和平) それは知ってました。ていう

 かみんな知ってると思いますよ。

千明) あっ、そうなんですか。でも

 何か最近、その怒りだけでは調子が

 でなくてですね、怒りのこちら側に

 ある、あの、自分を、肯定する力、

 とか言葉? まあ褒められるとか。

 そういうことが、合わさった時に、

 わぁ何てすてきなハーモニーという

 感じで、力が湧き出るということに

 気が付きました。

和平) 表裏一体的なやつですね。

千明) そうなんです。なので私

 挑戦します、もう一度。

和平) ん?

千明) エントリーします。もう、

 チームには宣言してきました。

和平) ほお~。

千明) 何かヒット作っていうか、

 まあ代表作、作りたいなと思って。

和平) なるほど。

 

**********

 

千明) 私、当てていいですか?

和平) 当てる?

千明) はい、当てます。

和平) どうぞ。

千明) うーんと、私の原動力が基本的

 に、怒りでしょ。長倉和平の原動力

 は、そうだな…フフフ、フフ…。

和平) 何ですか。

千明) あれでしょ、あれ。困りでしょ。

和平) 困り?

千明) 誰かに、無理難題押し付けられ

 て、それでどうしようもなくなって

 やるしかなくなって、で、板挟みに

 あうとか。そういうやつでしょ。

 そういう困り事でしょ。

和平) そうなんですよ、そう。って

 言いにくいわ。いやでもまあ…そ

 ういうことなのかもしれませんね、

 何かね。

千明) やっぱりね。で、何を

 押し付けられたんですか?

和平) いや、まあ今の現状を話しま

 すとね、一つは、困ったなと思いな

 がらスタートしたのが1件ですよ。

 で、あとはこれ困ることになるんじ

 ゃないかなと思う予感がするのが、

 2件。

千明) うわ、予感が2件?

和平) これね、私の予感結構

 当たるんです、高確率で。

千明) へぇ~。

和平) 日本遺産ってご存じですか?

千明) 世界遺産なら知ってますよ。

 あなた世界遺産問題で、責任を取ら

 されたことありましたよね。

和平) そういうことよく覚えてますね。

 いやあのね、国がね、日本各地百か

 所くらい、新たに日本遺産というの

 を認定したんですよ。鎌倉も、10年

 ぐらい前に認定をいただいて。

千明) 鎌倉いっぱいありそう

 ですもんね。

和平) まあそうなんですけどね。ただ

 鎌倉っていうのはね、何かそういう

 のを強くアピールするのがあんまり

 上手じゃないんですよね。まあぶっ

 ちゃけね。アピールしなくても、来

 ていただけるんですよ、お客様に。

千明) あっ、基本、モテる前提なん

 ですね。人気者前提の鎌倉。

和平) ねえそういうとげのある

 言い方やめてもらえません?

千明) フフフ…。

和平) いやまあ…。そしたら日本

 遺産の方がね、そんなにアピール

 しないなら、認定取り消すよって。

千明) あら、大丈夫なんですか?

和平) いやいやもう…だってねえ、

 せっかく認定いただいたのを取り

 消されるのもね。ただそれをアピ

 ールするにも予算がないって。

 もうこれどうしたらいいんだよっ

 ていう状況なんですよ。

千明) で、その難題を…。

和平) 丸投げ。観光推進課に丸投げ、

 そしてそれを私に丸投げ。

千明) それ相当大変じゃないですか。

和平) いや~大変なんですよ…。

 ただね、何かこう、ちょっと、

 うれしいっていうのかな。楽しい

 わけじゃないんですよ。ただ自分

 の背筋が伸びてるなっていう感じ

 がするんですよね。

千明) へぇ~。

和平) これ何なんですかね。

千明) そういう人生なんじゃ

 ないんですか。

和平) 認めたくないなぁ、

 そう言われると…。

千明) で、その、予感の2件は、

 何なんですか?

和平) ああ…。

千明) フフフ…。

和平) あの1件はね、今日偶然あの、

 市長にお会いしまして。話があるか

 ら、食事にって誘われたんですよ。

 これが、何かなと思って。

千明) それは、あれじゃないですか?

 体を要求されるとか。

和平) そんなわけないでしょ、この

 時代に。もう1件は、これまるっ

 きり予感なんですけど、これは、

 困ることになるんじゃないかなっ

 ていう人がいて。まあ観光協会の

 スタッフに、まあ応募してきた女

 性なんですけどね。

千明) 未亡人でしょ?

和平) 何で分かるんですか? 怖っ。

 いや、前後の脈絡なく私のとこに

 走ってきてですよ、「私、未亡人

 なんです」って言った…。

 これどうい意味だと思いますか?

千明) 来たね。来た来た来た、

 久しぶりに来たね。

和平) 来たのは…来なくていいん

 ですよ別に。そんなあの、あのう、

 別にもういいんですよそれは。

千明) でもまっ、よかったですね

 お互いに。動き出してはいる

和平) まあ、よくなれば、

 いいなとは思いますけど。

千明) そうね。

 困ってよかったですね。

和平) 何ですか困ってよかったって。

千明) Tシャツでも作りましょうか。

和平) Tシャツ?

千明) はい。「私を困らせてくだ

 さい」って英語表記で。

 「Please trouble me」みたいな。

和平) やめてくださいよ

 誰が着るんですか。

千明) あなたしかいないでしょう。

 世界で、あなたぐらいなんです

 から困らせてなんぼみたいな人。

和平) じゃああれ作りましょうよ。

千明) 何ですか?

和平) 「私を怒らせてください」

 「Please make me angry」

 Tシャツみたいな。

千明) いやじゃああれにしましょ

 うよ、「和平エロ本大好き事件」

 みたいな。

和平) ちょっと…。

千明) えっ?

和平) ちょっと静かに。

 声がでかいですよ。

千明) あっ、すみません。

和平) 近所なんですからやめてくだ

 さいよ。タイトルが違うタイトルが。

千明) 何だっけ?

和平) えーと、号泣事件です。

千明) あっ、エロ本号泣事件。

和平) だぁ~もう、大好き事件だった

 ら、ただエロ本が好きな少年の話で

 しょ。「私はエロ本が好きでした」

 で終わっちゃう話…。

千明) そっか、号泣事件ですもんね。

 だってその話まだ聞かせてもらって

 ないから…。

 

**********

 

怒りがパワーになるのは…よく分かる。

悲しみでパワーを削られると立ち上が

れなくなる。そんな時、怒りが立ち上

がるパワーをくれることがある。理不

尽だったり不当な扱いに怒りを感じる

ことは大事。自分を否定してくる声よ

りも、自分を肯定してくれる声を聞く

こと、これとっても大事。褒められて

なんぼなのよ。年を取れば取るほどね。

 

セカンドライフ…と言われても、なん

だか別に変らないというか…。一体、

いつからセカンドライフになるんだろ

うね。生まれてからの、ずっと延長上

にいるだけの気がするのだけれど…。

 

 

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