「おむすび」 第66回
第14週「結婚って何なん？」
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肩の故障で、プロ野球選手への
道が閉ざされてしまった翔也。
結は翔也を支えるという目標を
見失い…。
二人の間に亀裂が。
しかし…。
（回想）
歩） 大好きな人と、今この瞬間
を大切に、思いっきり楽しんだ
ら、未来も、変わるかもよ。
（回想）
結） うちは、翔也に…幸せにして
もらおうなんて、思っとらん。何
がなんでも、２人で幸せになる。
やけん、うちと、結婚して下さい。
翔也） ああ。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
＜夜・神戸＞
結） よし。ただいま～。
愛子） あ～お帰り。
歩） お帰り。
聖人） お帰り。
結） ジャ～ン！
愛子） えっ！？
永吉） お～お～お～。
聖人） オヤジ！
愛子） おばあちゃん！
永吉） よかうちやないか！
佳代） お邪魔します。
翔也） お邪魔します！
歩） え？
翔也？ どういうこと？
結） お父さん、お母さん、お姉
ちゃん。うち…翔也と結婚する
ことにしたけん。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
聖人） どういうことなんか、
説明してくれ。
結） やけん…。
永吉） やけん、結が、翔也に
逆プロポーズしたったい。
愛子） ぎゃ…逆プロポーズ
ってどういうこと？
結） まあ、要するに…。
永吉） 要するに、結から結婚
してって言うたったい。
歩） ホントに、結から言ったの？
永吉） おう、言うた。
聖人） 何でオヤジが答えるんや。
俺は結に聞いとんねん。
結） いろいろ…。
永吉） いろいろ考えて決めた
ったい。反対するな！
聖人） 反対するに決まっとろ
うが！ 話にならんわ！
永吉） な！ じいちゃんの
言うたとおりやろ？
聖人） 何が？
永吉） お前が反対するやろうと
思ったけん、わしらが、助太刀
に来たったい。
歩） 今んとこ邪魔しかして
ないけど…。
愛子） ねえ、翔也君の
気持ちはどうなの？
翔也） 自分の気持ちは決まって
ます。お父さん、お母さん。
娘さんを…。
聖人） 言わせへん！
翔也） どうか…。
聖人） 絶対言わせへん！
翔也） 娘さんを…。
愛子） ねえ…
ちょっと落ち着いて！
歩） てか、何？ この戦い。
結） お父さん！ お父さん！
ねえ、何でダメなん？
聖人） ２人ともまだ二十歳や。
若すぎる！
佳代） 聖人たちも、結婚したと
はそのくらいの年やったやろ？
永吉） そうたい。反対すんな。
聖人） 今平成や！
時代がちゃう！
結） あ、あ、あ、じゃあ、
お母さんは？ 賛成やろ？
愛子） う～ん…。
今の状態なら、賛成しないかな。
結） え？
聖人） え？
結） 何で？
愛子） ね、ちょっ、
とにかく、席について。
聖人） 反対や、反対。
愛子） ほら。
翔也君。勢いで結婚するって
言ってない？ これから、自分
の人生どうするか、ちゃんと、
考えてる？
翔也） もちろん考えました。
でも、大好きな人と、今この
瞬間を大切にしろって、
お姉さんに教わって…。
聖人） お前のせいやないか！
歩） いや！
結婚しろとは言ってない。
いやいや大体さ、２人だって
結を、糸島に行かせたでしょ。
愛子） いや、
それは仲直りさせたくて。
聖人） ああ、そやから、何も聞か
んと翔也君の髪の色を元に戻した
ったのに、いきなり結婚て！
歩） ねえ、大体さ、あんたら、
何でそんな結婚に…あの、
こだわるわけ？
結） え？ 好き同士が結婚
するの、普通やろ？
翔也） 自分もそう思います。
歩） ウフフ…ピュアすぎ！
えっ…ていうかさ、手続きとか
チョーめんどくない？ あ、ヨー
ロッパとかさ、事実婚っていっ
て、結婚制度にとらわれないカ
ップルめっちゃ多いんだよ。
永吉） ここは日本やぞ！
そげんして結婚ば軽う見るけん、
今の若い者は、すぐに、離婚す
るったい。
歩） は？ 離婚の何が悪いのよ。
おじいちゃん、そうやってね、
昭和の、化石みたいな価値観だ
と、ゾンビって言われちゃうよ。
永吉） ゾ…ゾ…ゾンビ！？
愛子） あ～私ゾンビ嫌い。
結） うちもゾンビは嫌い。
翔也） 俺は、
お化けの方が怖いっす。
佳代） うんにゃあ、
一番怖いとは人間ばい。
聖人） 何の話や！
結） とにかく、お父さん、お母
さん、うち、翔也との結婚を、
真剣に考えとう。やけん、認め
てください。
翔也） お願いします。
聖人） ２人の話は分かった。
けどな、結婚っちゅうのは、気
持ちだけでは、どうにもならん。
結、栄養士の仕事、これからど
うするつもりや。翔也君も、こ
のまま、今の仕事続けるんか？
な？ そういう、これからのこと
を、きちんと話し合って、ちゃ
んと説明できるようになってか
ら、改めて、話を聞く。
永吉） なんね偉そうに。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
＜商店街＞
翔也） ぶわあ～。緊張した～。
結） うちも緊張した。
けど、確かに、これからのこと、
まだ、ちゃんと
話しとらんかったね。
んだな。
結） 翔也のご家族にも
会いに行かんと。
翔也） あ～。
結） お母さんには一回会った
よね、糸島で。
（回想）
幸子） お嬢さん、ありがとね。
結） 優しそうなお母さんやった。
翔也） そう見えたか？
結） うん。
翔也） まあ、家族には俺からメー
ルしとく。挨拶はおいおいでいい。
明日っから、いろいろ決めてくべ。
結） うん、そやね。
翔也） うん。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
＜午前５：１６＞
結） ふあ～。
おはようおばあちゃん。
佳代） おはよう。
結） 朝早いね。
佳代） 結も糸島ん時、
この時間に起きとったやろ？
結） あ～まあそうやったね。
佳代） ネギば刻んどくれん？
結） うん！
佳代） おばあちゃんの言う
とおりやったやろ？
結） なんが？
佳代） 結が、翔也君と
初めて会うた時…。
（回想）
佳代） 結が飛び込んだけん、
そん男ん子に出会えたんやろ？
何かのお導きかもしれんよ。
結） 覚えとう、オミチビキ。
ホントやったね。
佳代） はい！
結） お！ いただきま～す。
あ～おいしい！
懐かしい、おばあちゃんの味。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
結） おばあちゃんさ。
佳代） ん？
結） いつも、バランス考えて
ごはん作りようと？
佳代） バランス？
結） うん。子供ん時は気が付かん
かったけど、栄養士になったけん
分かる。大豆とひじきの煮物は、
たんぱく質も鉄分も、食物繊維も
豊富やし、なめこと豆腐のおみそ
汁は、体にすごいいいし、栄養バ
ランス完璧やもん。
佳代） 「三里四方の食によれば、
病知らず」って、知っとう？
結） さんりしほう？ なん？ それ。
佳代） 昔んことわざ。
三里というとは大体12キロぐらい。
その範囲でとれた食材ば食べとっ
たら、病気せんのやって。
結） えっ、何で？
佳代） 鮮度がいいけんやろうねえ。
昔は、ほら、冷蔵庫やらなかった
けん。
結） なるほど。
佳代） ばってんそれって、今の時
代にも、合っとうと思うんよね。
ほいれ、地産地消とか言うやろ？
結） あ…確かに、そうやんね。
佳代） おばあちゃん、バランスや
ら難しいことは分からんけど、食
べてくれる人のことば考えて、新
鮮な旬のものを、おいしく料理す
ることだけ考えとうよ。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
＜星河電器＞
（社員食堂の柱に、
ポスターを貼る結）
（回想）
聖人） 結、栄養士の仕事、
これからどうするつもりや。
（ぼんやり考える結）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
（休憩室のデスクに、仕入れ台帳）
（ページを開く結）
原口） おはよう。
結） あ、おはようございます。
原口さん、うちの食材って、
結構、輸入品多いですよね。
原口） ああ～まあコストが
かからへんからね。
結） これって、地元の食材に替え
るとかって、大変ですかね？
原口） 地元の？ 何で？
結） いや、みんなに、できるだけ、
新鮮なもん食べてもらいたくて。
あ、でも、やっぱり難しいです
よね。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊
＜総務部＞
大久保） パソコンを使った仕事を？
翔也） はい、この本のおかげで、
操作は理解しました。
もう実践でいけます。
大久保） 実践って大げさやなあ。
田中） あっ！ 社員名簿の整理、
してもらったらどうですか？
翔也） 社員名簿の整理？
田中） この間の人事異動で、
何人か入れ代わったんよ。
大久保） う～ん、それやったら
できるか。やってみる？
翔也） はい！
是非やらせてください。
田中） じゃ、メールで
ファイル送るわ。
翔也） お願いします。
田中） 四ツ木君、前向きに
なったみたいですね。
金髪になった時はもう
どないしよう思ったけど。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
＜定休日のヘアサロン ヨネダ＞
美佐江） 永吉さん、
もう帰ってしもたん？
会いたかったわ～。
福田） おばあちゃんも一緒やった
んか？ 何でまた急にこっちに？
愛子） ああ…。
要蔵） 何かあったんか？ そやろ？
聖人） いや、別に。
要蔵） （小声で）あったな。
♪（ドアベル）
愛子） あっ、すいません、
今日お休みなんです。
幸子） 私、四ツ木翔也の母
なんですけども。
愛子） あら！ えっ？
翔也君のお母さん？
初めまして、結の母親の、
米田…。
幸子） あの子をムコにするって、
どういうことですか？
聖人・愛子） ムコ！？
美佐江） 面白そうな話やん！
詳しく聞いとこか。
福田） 美佐江さん！
要蔵） 首突っ込んだあかん。
美佐江） 何で？
愛子） そんな話、
聞いてないですけど。
聖人） 誰が言いよるんですか、
そんなん。あ、結の父親です。
幸子） 昨日これが、あの子から
届いたんです。「俺、米田結さ
んと結婚する。ムコになる」っ
て。どういうことですか？
聖人） 我々に言われましても…。
愛子） ああ…。
あ、とにかく、本人たちに
話聞きましょう。ね！
＊＊＊＊＊＊＊＊＊
＜星河電器＞
結） ねえ、お母さんからメール
来た。翔也のお母さんがうちの
お店に来て、何かすごい怒っと
うって。
翔也） マジか～やっべえ。
結） え？ 何で？
優しいお母さんやん。
翔也） とんでもね。あの人昔、
栃木でレディースやってたんだ。
結） え？ レディースってなん？
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
超簡単感想で♪
若さゆえ～のあるあるが微笑ましい。
まあね、みんな初めは知らないこと
ばかり。な～んにも考えてない…と
いうより、思いもしないことばかり。
そこから怒られたり、たしなめられ
たりしながら大人になるのよね～♪
大変遅くなりましたが…
今年もよろしくお願いします！
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