「ブギウギ」 第17回
第４週「ワテ、香川に行くで」
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スズ子） 大和さんは、何で、
梅丸に入ったんでっか？
お母さんとお父さんに反対されと
ったんは、よう分かりましたけど、
花咲も、あるのに・・・。
大和） 私のバレエの先生と、大熊
社長が知り合いだったのよ。私は
家を出てでも踊りを続けたいって
思ってたけど、一人じゃ、花咲や
梅丸を受験するお金もなかったの。
もう、途方に暮れちゃってね・・・。
（回想）
大熊） 授業料も何も要らん。
安心して飛び込んできなさい。
大和） どうして・・・そこまで
してくださるんですか？
大熊） 親に反対されて諦めた人間
はようけ見とる。せやけど、お前さ
んみたいに、親と縁切ってでもやり
たいっちゅう人間は、滅多におらん。
これからは、ワシが親代わりや。
ずっとお前さんのことは見たる。
大和） 私も拾われたのよ、梅丸に。
あなたや秋山さんと一緒。梅丸は、
そういう人を受け入れてくれる場所
でもあるの。ずっと見てるって言わ
れた時、本当にうれしかったな。
スズ子） ワテも、ずっと、大和さん
見てます。初めて、梅丸に来て、
一人で、居残りレッスンしてはる、
大和さんに、くぎづけになってから、
ずっとずっと、大和さん見てます。
これからも、見させてください。
嫌や言われても、隠れてのぞき見
しますけど。
大和） ありがと。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
大熊） すんませんな！
男性） 社長！
大熊） ご心配かけてます。
もうすぐです。
もうすぐ再開しますよって、
しばし、お待ちください！
男性） いつまで待ったらええんや！
男性） 説明せえ説明！
大熊） ホンマ申し訳ない！
すぐに再開しますよってに！
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
股野） 僕は・・・！
橘） 何？
股野） 僕は・・・梅丸をやめるわ。
やっぱり、今の僕は、みっともな
いことに気付いたわ。いや、気付
いてたんやけど・・・気付かんふり
してただけや。大和さんや橘さん
のこと見てたら、ホンマ、自分が
情けないわ。
橘） やめてどうするんや？
股野） それは・・・明日にでも、
寺行って、大和さんと話すわ。
ほな。
橘） 待って。
見直したで。少しだけやけどな。
（稽古場に向かい、一礼し、
出て行く橘）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
＜社長室＞
大熊） 話って何や。
橘） どうすれば、礼子たちの条件を
のんでもらえるでしょうか。ウチが
・・・梅丸をやめることで何とかな
りませんか？ 礼子は・・・あの子は
梅丸に必要な人間です。絶対ここ
におらなあかん人間です。それは
社長もよう分かってはる・・・。
大熊） お前らの条件はのんだる。
橘） え・・・。
大熊） ただし・・・
大和には梅丸をやめてもらう。
このままやったら、会社に置いとく
わけにもいかんわ。社員に顔向け
できん。あいつも、その覚悟はあっ
たんやろ。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
＜石段＞
スズ子） げっ！ 股野はん！？
股野） ああ・・・。
大和） どうしてここに？
股野） 話したいことあって・・・。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
＜寺の広場＞
股野） 僕は、梅丸をやめます。
僕一人がやめてどうにかなる問題
やないいうのは分かってますけど、
もしかしたら、会社も何か考えて
くれるかもしれへんし・・・。
何より、もう一度、オーケストラ
目指してみよう思いまして。
大和） オーケストラ？
股野） はい。僕、もともと
オーケストラに入りたぁて。
諦めかけてましたけど、
もう一度、夢追ってみます。
大和） いいじゃないですか。
股野） え？
大和） いいと思います。
股野） あ・・・ありがとうございます。
僕、橘さんに、今の僕はごっつい
みっともないって言われて、
ホンマにそうやなって・・・。
いや、みっともないとか、いいとかの
話やなくて、ここで動かな、ホンマに、
僕は・・・。
大和） 股野さんがそう決めた
のなら、私は応援します。
股野） は・・・はい。
アホ！ もう一個言わな
あかんことあるやろ！
僕は、僕は・・・。
僕は、大和さんのことが好きです。
大和） 今は・・・
それどころじゃないので。
股野） 分かってます。すんません、
こんな時に一方的に。せやけど、
ここで伝えな、二度と会われへん
ような気がして。
大和） そんなことはないと思います。
股野） え・・・？
大和） お互い、どんな形になろうと、
この道を続けていれば、いつか
きっと、また、会えるような気がし
ます。だから・・・頑張ってほしい
です。簡単にはくじけないでほし
いです。
股野） はい！
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
（盗み聞きしているスズ子たち）
和尚） （せきばらい）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
橘） お～い！
スズ子） えっ、橘さん！？
リリー） 橘さ～ん！
（喜ぶ声）
スズ子） どないしたんでっか？
女性） 橘さん元気でしたか？
橘） 大丈夫や。
スズ子） えっ、林部長も！
一同） おはようございます。
林） お前ら疲れとる思うてな。
ほい、これ！
ほりゃ～！ 生き血や、飲め飲め！
女性） 頂きます！
リリー） あ・・・後で頂きますわ。
スズ子） あっ、あっ・・・そや！
今、股野はんも来てはるんです。
向こうで大和さんと話してますわ。
リリー） 大事な話や。
スズ子・リリー） なあ！
リリー） なあ。
スズ子） なあ。
橘） あんたらは稽古しとき。後で
山籠もりの成果見せてもらうで。
ええな？
一同） はい！
林） ほな行こか。
橘） はい。
林） 飲めよ。
女性） ご苦労さまでございます。
林） おう。
一同） ご苦労さまでございます。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
（赤い液体の入った瓶）
リリー） うわっ、気色悪・・・。
スズ子） せやけど、2人の顔見ら
れて、めちゃくちゃうれしいわ。
秋山） 何や、力が湧いてくる
感じしました。
スズ子） そやな。
ほな、稽古続けましょか！
女性) そやな。
スズ子） 橘さんにええとこ見せたり
ましょ。そのあと、生き血で宴会や！
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
林） ホンマに残念や。
（大和に向かい頭を下げた林）
林） 申し訳ない。ワシの力不足もある。
股野） 何で？
そんなん・・・そんなん何で！？
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
この時ワテは、大和さんの覚悟に、
全く気付いてなかった。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊、
股野の告白に、大和がまんざらでもない
感じだったのがちょっと意外。オーケス
トラの夢を叶えて再会したら、チャンス
はあるかもしれない。頑張れ股野君～！
ストライキの結果は、大和がやめること
で要求はかなえられそうな感じだけれど、
そうなるとしても、今で言う卒業公演み
たいなものがあったらいいなあとは思う。
大和＆橘の舞だけでも、見せてほしいよ。
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